ディナー6 ページ27
「安室さん、私、タクシー拾って帰るからいいよ? 仕事あるんだよね? 心配しなくても別に赤井さんのところに行ったりしない。そもそもどこにいるかも知らないし」
赤井さんと別れて歩き出した後、私は安室さんにそう言った。
あんなに完璧主義の安室さんが仕事中に忘れ物を取りに帰る必要があるとは思えない。
「タクシーを呼ぶと話ができない。
ここから家まで30分くらいでしょう? 一緒に歩くにはちょうどいい距離だ。
あなたはいつも運動不足だし」
「……それはどーも」
「でも一人の時はタクシーを使ってくださいね、心配だから」
と、付け加えた。
「はーい」
安室さんは赤井さんと違って私の手を掴もうとはしない。
わざとのように速足で歩くのでついていくのに精いっぱいだ。
――運動不足の私を思いやってのことだとはわかっているけれども。
「金曜日にバーで偶然会ったの? 赤井に?」
「そうだよ。会社の近くのバーに飛び込みで行ったら、そこのカウンターで飲んでいたの。
アメリカの公務員で、今は休暇中――って同僚の女性が言ってた」
「なるほど……」
「どうしてそんなに動揺してたの? 赤井さんと何かあるの?」
「同じところで一緒に仕事をしたことがある――それだけですよ。
でも、あなたと赤井が付き合うのは反対だ」
「付き合わないって言ってるじゃん。
そんなに心配なら、安室さんが私と付き合ったらいいのに」
隣で暮らす世話好きの安室さんは、それでも、決して私と付き合おうとは言わない。
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まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです!赤井さん降谷さんコンビ最高! (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます! (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2022年9月1日 8時