ディナー1 ページ22
安室さんからメールが届いたのは18時過ぎだった。
丁寧にもCCで届いたため、私のメルアドは赤井さんに知られてしまったし、無駄に赤井さんのメルアドを知ることになってしまった。
えっと、あんなに赤井さんとの接触に不満を持っていた割に、BCCにしなかったのは何故?
19時50分
私は通勤用の服から、一応何かの時(それはもう、急な合コンにも参加したいお年頃ですから!)のために置いてある少しだけ綺麗目のワンピースに着替えてレストランに向かおうと出口に向かう。
だって、隣人からの誘いを無視したら後が怖い。
「A、お疲れ様」
入り口近くの壁にもたれて煙草を咥え、オシャレなスーツを身に纏った、黒髪のイケメンが私に声をかけてきた。
ホスト……ではなくて、赤井秀一だと気づくまでにしばらくの時間を要した。
ニット帽の印象って思ったよりも強いのね……
「赤井さん、わざわざ待っててくれたの?」
私はほんの一瞬彼に見惚れてしまったことを悟られたくなくて、普段と同じ調子で声をかけようとしてみた。
だけど、一瞬声が上ずったのを聞き逃す人ではない。口角が上がり、いつも怖いイメージの彼の顔は優しい雰囲気に彩られた。
ダメダメ。ワンナイトラブ禁止。
私は心の中で呪文のように唱える。
「ああ。レディーをディナーにお誘いしたのに迎えに来ない男なんて無粋だろう?」
これが純粋な意見なのか、安室さんのことを非難しているのかは解釈が分かれるところだ。
「……どうも、ありがとうございます」
彼はわざわざ私の目の前で自分のマフラーを外し、私の首に巻く。
周りを行きかう人の好奇な視線を感じることはないらしい。
そりゃそうか。赤井さんにとっては見知らぬ他人だもんね。
でも、私にとっては社内の知り合いだったりするんだよ?
困った……。実に困りながらも、私は、赤井さんの手を無下に振りほどくことができなかった。
748人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです!赤井さん降谷さんコンビ最高! (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます! (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年9月1日 8時