溺愛禁止！1【赤井秀一】【安室透】

飲み友達2 ページ11

君はランチはどうするんだ、今日の夜は？ と、立て続けに聞かれても困る。

別に「飲み友達」って三食一緒に食べる関係じゃないよね？

私の飲み友達の定義と、赤井さんのそれが違いすぎて怖い。


「えっと……。もしかして赤井さん、私を餌付けしようと思ってますか？」

「君は人聞きが悪いことを言う。
　一緒に食事を楽しみたいだけだ」

「なぜですか？ もしかして、暇？」

「ああ、まあ端的に言うとそうだ」

「せっかくのオフなんですから、日本国内観光してきたらどうですか？
　アメリカと比べたら狭いでしょうけど、北海道から沖縄までいろいろと見どころがありますよ？
　京都とか、人気の観光地ですし」

私は必死にアドバイスする。

「君が一緒に案内してくれるなら、ぜひとも」

――するわけないじゃないですか！

「私は仕事です。無理です。無職になったら明日から路頭に迷います。
　外国人向けのツアーにでも申し込んでください。
　ネットですぐに調べられます。必要ならメールします。

　あと、今日のお昼はお弁当があるのでご一緒できません。

　天気が良ければその辺の公園で食べますか？」

今日のランチは、隣人が作ってくれたお弁当だ。
まめな彼は、よく、朝の出勤時間に間に合うようにお弁当を作ってくれる。

料理大好きな彼にとって、三食外食って言うのがどうも許せないらしい。


自分や家族のことならともかく、隣人の食生活にまで口を出してくるのはやめて欲しい。

もしかしたら、安室さんは私の第二の母親なのかもしれない――。


ひょっとして、お母さんが転生して安室さんになってる――？ って思うことがないわけでもない。でもまあ、マンガじゃないのでそういうことは起きないよね、うん。

飲み友達3→←飲み友達1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す