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ヘッドハンティング7 ページ35

口を開こうとしたタイミングで、内線が鳴った。

「蘇芳主任、すみません。

 今、ちょっとどう表現したらいいのかわからないほどかっこいスーツ姿のイケメンが――。どうしてもこちらの制止を聞かずにそちらに入って行ってしまったんでお伝えしておこうかと。

 本当にすみません、私、あのタイプのイケメンにはとても弱くて。ててて……手の甲にキス……」

受付嬢の田中さん、舞い上がりすぎていて、何の話か全然見えてこない。

だいたい、うちの会社のセキュリティはしっかりしていて、鍵でも持っていない限りそう簡単には入ってこれないはず――



ガチャリ、と、扉があいた。

いやいや、鍵かけてるから。鍵、かけ忘れてないよ、私?



視線をあげれば、確かにものすごく正装に近いようなブラックスーツを身に纏い、髪をきっちりセットした赤井秀一がそこにいた。なんならサングラスまでかけて、ものすごくお似合いだ。

雑誌の表紙も飾れるし、映画のポスターにもなれそう。

なに、この漂う色気とカッコよさ。もはや、美の暴力と言ってもいいくらい洗練されたかっこいい男がそこにいた。

これはもう、受付嬢の田中さんが一気にノックアウトされても仕方ない。

そこはいいのよ、別に。受付嬢1人落としたくらいで、ここに入れるわけがない。



だって、このビルのセキュリティの高さは国内トップクラスだよ?

私はちょっとイケメン過ぎる彼を直視しないよう、視線をそらしながら問う。



「赤井さん、何しているの? 帰国したんじゃないの? っていうか、鍵はどこで手に入れたの?」

ここに来るまでに3種類の鍵がいるはずだ。もちろん、カードキーとか指紋とか、そういう類のものも含まれる。

だって、このフロアの1つ上にはサーバー室もあるんだよ?

簡単に他人が来られるところじゃない。

「鍵?」ふと我に返ったようにそう言うと、赤井さんは軽く口角を上げる。

かっこよさがさらに上がるのでやめて欲しい。田中さんだったら今頃失神しているよ?

「ほぉ、まさかあの程度の鍵で侵入を防げると思っているのか、君は」

もしかしてこの人、ハッキングも得意だけどピッキングも得意なの?



眩暈がする。

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まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです!赤井さん降谷さんコンビ最高! (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます! (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2022年9月1日 8時

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