True End4(おまけ42) ページ40
「Aおいで。そんなところで寝ていると風邪をひく」
不意に耳元で優しい声が響いた。
声をかけられたと認識した時にはベッドの中に引っ張り込まれていた。
「――目が覚めたの？」
「ああ、たった今。君は無事なのか？ 痛いところはない？」私が頷くのを確認すると、とても柔らかく優しく甘く微笑んで、それは良かったと囁く。
「良くないよ。秀一さん、いっぱい怪我しているのに」
「――Aが泣くことはない。こんなのはすぐに治る――。
困ったな、そんなに泣かなくていい。見た目ほどには痛くない、君の涙を見ている方がずっと胸が痛む。ほら、もう今日からは一緒に暮らせる。君が嫌と言ったって、ずっと傍に居るから、ね？
――Kiss me.」
どれほど言葉を尽くしても私が泣き続けるので、秀一さんはとても困った顔をして私の頭や頬や顔を撫で、そう囁いた。
どうしようもなく涙で濡れた唇を、彼の唇に押し付ける。
「秀一さん、私のこと覚えてる？」
「ああ――何もかも、覚えてる」
そういうと、私がこれまで話して聞かせたこともないような細部まで、語り始める。
「もういいよ、わかった。わかったからとりあえず、今夜は寝て？」
どれほど口説いても君は全く俺に興味を示さないとか、店員と会話するだけで君はすぐに拗ねるとか、そういえばあのスイーツも食べさせていないこの店にも行けてない、とか、本当にあれこれ話すので――私はあまりにも恥ずかしくなって途中で話を遮るしかなかった。
「朝まで君がここにいてくれると約束してくれたら」
「わかった、約束する。明日から大学も冬休みだからずっとここにいるから――ね？」
何度も何度も甘く熱く深いキスが降ってきて、自分がどのタイミングで眠ったのかはよく覚えていない。
ただ、彼が記憶を失ってしまって以降、一番幸せな気持ちで眠りについたことだけは、間違いなかった。
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まつり(プロフ) - わたしさん» そんなに読んでもらってるなんて嬉しすぎます！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございますー！ (12月31日 21時) (
レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
わたし(プロフ) - 本っ当に大好きで読むのも二三回目です。展開わかっていてもキュンキュンするし、まつりさんのかく沖矢昴が本当にかっこよくて理想すぎてだいすきです。なんでも出来てスマートに手を引いてくれる感じが堪らなくすきです、書いてくれてありがとうございます(;_;) (12月29日 4時) (レス) @page41 id: 2b3cd5dcd8 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白くて一気に読みました！！安室さん編があるの嬉しすぎます！！ (5月12日 5時) (レス) @page41 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - チミさん» わあ、嬉しいコメントありがとうございます！こちらこそ、そんなに楽しんでいただけて幸せです。ありがとうございました。またの機会がありましたら、よろしくお願いします。 (2022年8月20日 21時) (レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
チミ(プロフ) - この作品本当に本当に大好きで、毎回更新が本当に本当に楽しみで、なんと言ったらいいのか、とにかく大好きなんです！！出会えて最高でした〜〜！！素敵な作品ありがとうございます！！！！！！！！ (2022年8月20日 20時) (レス) @page34 id: 5432b7d0cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年8月17日 9時
