ボディガードは不要です8【沖矢昴】【安室透】

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『でも、君がシュウの気を惹くにしろ、諦めるにしろまずは元気にならないと駄目だな。だから、今は薬を飲んで寝てください。どうしても飲まないって言うなら、口移しで飲ませてあげてもいいけど？』

Jは本気か冗談か掴み切れない口調でそう言った。

『俺はあいつの代わりにはなれないし、なる気もないけど。

　君のことを大切にする用意はあるよ。君が元気になるまで――あるいはどっかの誰かがお前は帰れって言いだすまでは君の傍に居る。

　ジェイムズも本国に掛け合ってくれるって言ってたし、どうせどこにいたって俺の場合、仕事のほとんどはオンラインだからね』

『私のせいでJの正体がジェイムズに知れたってこと？』

不安を覚えた私をよそに、Jは笑いをこぼす。

『まさか。俺がそんなにうっかりしているように見える？傷つくなあ。

　ジェイムズはアメリカにいる時からシュウの上司だぜ？ さすがに直接会って会話を交わしたのも一度や二度じゃない。
　まあ、会ってるって言ったってこのビジネスモードだけどね。

　ほら、おしゃべりはおしまい。医師から3時に投薬って言われているの。どっかの誰かと違って、お兄さんは気が短いよ？』

『口移しor自分で飲む、どっち？』 と、迫られて私は手を伸ばし薬を口に放り込んで水で飲みこんだ。
痛み止めと睡眠導入剤。



薬の効果は抜群で、私はあっという間にベッドの上で眠りに落ちた。

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