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test of courage17 ページ12

直後、ひどい爆発音が耳を貫いた。

「う……っ」

私の背後で昴さんが呻いたような気もした。
私を抱きしめている右手からは、血が零れていて私の手を赤く染めていく。


昴さんに話しかけたいけれど、耳鳴りがひどくて自分の声すら確認できない。

目の前にスーツ姿の安室さんが居て、何か言っているけれど私の耳には何も聞こえない。


撃たれたお腹が痛くて、爆風による熱はまだ辺りに濃く漂っていた。爆音の影響で耳は痛くて、身体には力が入らない。
後ろにいた昴さんの存在がなくなって、ぺたんと座り込む私を安室さんが抱き寄せた。


「やだ、昴さん? ねえ、昴さんは?」

振り向こうとした私の頭を安室さんの手が掴み、決して振り向かせてはくれなかった。

「大丈夫、病院に連れて行くだけだ」

安室さんの唇がそう動く。

「だめ、だめなの。私一緒じゃないと……私……っ」

ごほっとそれまで我慢していた咳をすれば、待ってましたとばかりに口から血が零れはじめる。

「彼女もすぐに搬送を!」

安室さんが何か言っているけれど、何を言っているのかよくわからない。
だって、それどころじゃない。

昴さんを病院に連れて行かないで!


「やだ、だめなの。昴さん……っ」

血のむせるような匂いが鼻につく。昴さんのそばに行きたくて、暴れる私を抱きしめた安室さんのスーツに私の血がつき、朱に染めていく。声が出ない。喉が焼け付くように熱い。血が零れて、上手く喋れない。

その代わり、涙が頬を伝って落ちていく。




でも、昴さんを病院に連れて行ったらダメ。変装がばれる。

赤井秀一の生存が、ばれてしまう……




それは、絶対に、阻止しないと……

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設定タグ:安室透 , 沖矢昴 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
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まつり(プロフ) - わたしさん» そんなに読んでもらってるなんて嬉しすぎます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございますー! (12月31日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
わたし(プロフ) - 本っ当に大好きで読むのも二三回目です。展開わかっていてもキュンキュンするし、まつりさんのかく沖矢昴が本当にかっこよくて理想すぎてだいすきです。なんでも出来てスマートに手を引いてくれる感じが堪らなくすきです、書いてくれてありがとうございます(;_;) (12月29日 4時) (レス) @page41 id: 2b3cd5dcd8 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白くて一気に読みました!!安室さん編があるの嬉しすぎます!! (5月12日 5時) (レス) @page41 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - チミさん» わあ、嬉しいコメントありがとうございます!こちらこそ、そんなに楽しんでいただけて幸せです。ありがとうございました。またの機会がありましたら、よろしくお願いします。 (2022年8月20日 21時) (レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
チミ(プロフ) - この作品本当に本当に大好きで、毎回更新が本当に本当に楽しみで、なんと言ったらいいのか、とにかく大好きなんです!!出会えて最高でした〜〜!!素敵な作品ありがとうございます!!!!!!!! (2022年8月20日 20時) (レス) @page34 id: 5432b7d0cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2022年8月17日 9時

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