test of courage6 ページ1
昴さんと私は歩美ちゃんと向き合った。当惑顔の光彦君も一緒だ。
「あのね、お姉さんを連れて〇〇ビルに来いって!
そこで元太君を解放するって」
それって、流星組が所有している廃ビルだよね?
「どうしましょう!」光彦君が当惑顔で付け加える。
「わかりました。そのビルには責任を持って向かいます。
その伝言をくれた人の顔はみましたか?」
「見た!覚えているよ」
歩美ちゃんが力強く頷く。
「ちょっとー、そこの車!ここ、路上駐車禁止ですよー」
歩美ちゃんの声にかぶせるように、後ろにミニパトが止まって由美さんが降りてきた。
「ああ、由美さん。ちょうどよかった。
この子の友達が、たった今さらわれてしまって。
そこに向かうので、こっそりついてきてこの子たちを保護してもらえませんか?
あと、刑事に連絡を、早く」
「いや……え? はい……っ」
途中まで半信半疑顔だった由美さんも、泣いている歩美ちゃんと光彦君を見て冗談ではないと感じたのか、昴さんの気迫に負けたのか、ミニパトに戻る。
昴さんは車の後ろを開けて、歩美ちゃんと光彦君に「男、女? 髪の長さは? 髪の色を覚えているかなぁ」と、あえて緊迫感を滲ませない声で問いながらパソコンを取り出す。
「昴さん、〇〇ビルの近くの駐車場まで、私が運転する。後部座席で詳しい話を直接聞いた方がいいんじゃない?」
昴さんは手を留めると私の耳元に唇を寄せ
「では、君に任せよう。心配いらない。
そうして、沖矢昴の口調に戻し
「くれぐれも、安全運転でお願いしますね」と言うと、光彦君、歩美ちゃんとともに後部座席へと乗り込んだ。
私は、運転席に座ると座席を調整してシートベルトを締め、エンジンをかけた。
105人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - わたしさん» そんなに読んでもらってるなんて嬉しすぎます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございますー! (12月31日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
わたし(プロフ) - 本っ当に大好きで読むのも二三回目です。展開わかっていてもキュンキュンするし、まつりさんのかく沖矢昴が本当にかっこよくて理想すぎてだいすきです。なんでも出来てスマートに手を引いてくれる感じが堪らなくすきです、書いてくれてありがとうございます(;_;) (12月29日 4時) (レス) @page41 id: 2b3cd5dcd8 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白くて一気に読みました!!安室さん編があるの嬉しすぎます!! (5月12日 5時) (レス) @page41 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - チミさん» わあ、嬉しいコメントありがとうございます!こちらこそ、そんなに楽しんでいただけて幸せです。ありがとうございました。またの機会がありましたら、よろしくお願いします。 (2022年8月20日 21時) (レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
チミ(プロフ) - この作品本当に本当に大好きで、毎回更新が本当に本当に楽しみで、なんと言ったらいいのか、とにかく大好きなんです!!出会えて最高でした〜〜!!素敵な作品ありがとうございます!!!!!!!! (2022年8月20日 20時) (レス) @page34 id: 5432b7d0cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年8月17日 9時