検索窓
今日:10 hit、昨日:41 hit、合計:37,041 hit

information8―沖矢side― ページ38

「相手はテロリストの家族だぞ?」

詰問口調の降谷くんの言葉を

「つまり、一般人ということですよね」と、流す。

「切羽詰まった一般人を侮らない方がいい」

降谷くんは腕を組んで俺をにらみつけていたが、やがて何かを諦めたのか、ため息をついて口を開いた。

「例の廃ビルの話は聞いたのか」

「ええ、調べましたよ。流星組の持ち物ですね」

「そのテロ組織は資金調達のため流星組にクスリを売っている。あの廃ビルは取引に使われた形跡がある」

「なるほど」

「裏切り者はこちらで早急に探して処分する。
 家族の情報は写真付きで早急に送ろう。アドレスは?」

このために用意しておいたメールアドレスを伝える。

「しばらくここに?」

「ああ、あと3日もすれば動けるようになる予定だ。彼女には世話になったのに悪いことをした」

「それはまた、今度彼女と会った時にでも伝えてみてはいかがでしょうか。私は今日のことは他言しませんので」

「本当に身を守れとは言わないつもりか?」

「敵が判明したら検討の余地はありますが、今はまだ漠然としすぎています」

「それであの子に万が一のことがあったら……」降谷くんの表情が苦悶で歪む。

「そんな事態にはさせません。
 それに、教えたからと言って、大人しく守らせてくれるわけでもないでしょう? ご存じかどうかわかりませんが、拳銃の怖さを克服するとか言い出して、射撃を始めたくらいです。囮になるなんて言い出したらどうするんですか」

「信頼に足る部下を護衛につけるのは?」

「今はまだ、あなた1人の胸の内に留めておいていただきたい。裏切り者を見つけたあとで検討しても遅くないでしょう」

「そうだな。僕の落ち度だ。なんとかしよう。くれぐれもあの子のことだけはーー」

頼む、と言いかけ目の前の男が一般人であることを思い出したのか、降谷くんは口を閉じた。

俺は端末を取り戻し、病室を後にした。

information9→←information7―沖矢side―



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
123人がお気に入り
設定タグ:安室透 , 沖矢昴 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつり | 作成日時:2022年8月1日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。