bomb17—沖矢side― ページ7
「テロの実行犯はおそらく爆破直前に命が惜しくなり、爆弾をその身から投げ捨てた。
本人はいまだ大学内を逃走中。
大方の大学生は避難して無事だが、その身を隠し移動の難しい『彼女』だけはいまだに大学内に潜伏中。
他の人物は全員、公安か警察であることを考慮すると、テロの実行犯の人質として選ばれるのは『彼女』となる――ということだな」
さすが、工藤優作氏。
複雑な事態をいとも簡単に整理して説明してくれた。
「で、コナン君。
彼女がどこにいるのか正確にわかるかい?」優作氏がボウヤに問う。
「僕は……大学の構造があんまりわかってないから。
昴さんならわかるかも」
これ見て? と渡された追跡用メガネを手に取った。
子供向けのサイズと思いきや、大人が手に取れば大人でも難なく付けられるように仕掛けがつけられているんだな。
さすが阿笠博士――と、感心しながら追跡用の眼鏡をかけた。
おおよその位置は分かるが、具体的な建物を絞るとなるともう少し近づかないと難しいかもな――。
追跡用のメガネを俺に渡したボウヤはちっともじっとしていることはなく、今度は別のイヤフォンを耳に着けていた。
いくつ盗聴器持ってどこに仕掛けているのか――。日本の公安に採られる前に
「――灰原? ねぇ、昴さんこれ聞いて。
灰原が探偵バッチを通じて、Aさんと話している」
言うと、ボウヤはイヤフォンを外す。
『ごめん。その声は、哀ちゃんかな?
ここにコナン君は、――はぁはぁ――いないわよ』
痛みをこらえて言葉を紡ぐAの声が流れてきた。
灰原『Aさん?
あなた今、どこにいるの? 江戸川君は?』
A『コナン君は、――っ痛ぅ――朝コンビニで偶然会ったのが最後。
偽札犯を――追いかけていたわよ。
私は東都大学の――A館の入り口近くの――そうね、割と死角にいるわ。
ちょっと気を失っていたみたい。
あなたが呼びかけてくれたから目が覚めた。
起こしてくれて、ありがとう』
今すぐそこに駆けつけて、Aを助けてやれなくて申し訳ないと心から思う。
これまで気を失っていたというなら、これ以上ここで共有する情報も出てこないだろう。
どうぞ、とボウヤが親切に渡してくれたイヤフォンをつけ、耳に入れた。
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まつり(プロフ) - かるぴんさん» かるぴんさん、はじめまして。長々と続いていてすみません。はい、続きも書きますねー。まだ、いつ終わるかもわかりませんが引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。 (2022年7月8日 20時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 引き込まれる文章であっという間にここまで読みました!とても面白いです!大変だとは思いますが、続きを心待ちにしています!お体に気をつけてください! (2022年7月8日 19時) (レス) @page16 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2022年7月7日 9時