unmask26 ページ48
「さて、昴さん。Aちゃんの面倒は私が責任もって見ておくから、やりたいことを済ませてきたらどう？あっという間にアメリカに戻っちゃうからその期間だけでも。良かったら最終日のパーティには同席して欲しいけどね。でないと誰がAちゃんのことエスコートするかわからないわよー？ 後で時間と場所送っておくわ」
有希子さんの言葉に、昴さんは私に視線を移した。心配そうな瞳がまっすぐに私を映す。
「有希子さんもそう言ってくださるし――。私なら大丈夫だから、行ってきて？」
自分で言って、突然、すとんと腑に落ちた。
――ああそっか。
本人が語ってもいいと言っているにもかかわらず、『赤井秀一』のことを知りたくないなんて、ただの私のわがままだ。
彼の事情を知らなければ、彼が何を目指してどう動きたいのかわからないから協力もできない。
だから、すべての事情を把握しているであろう有希子さんと昴さんの距離が、ひどく近く見えるのだ。
彼と出会ったお影で、最近ずっと「裏目」続きだったと思っていたけれど、その終着点がまさかの工藤優作氏で、その途端まるでオセロみたいにたくさんの目が「表目」にひっくり返った。
偶然だけど、でも、「裏目」続きでも進み続けてよかったって、本当に思えた。
多分、実際に出版した本を手に取ったら、もっと強くそう思えるに違いない。
この感謝を、伝えるためにも、「沖矢昴」の正体(unmask)をきちんと知る勇気を、私は持たなければいけない時が来ているのかも、しれないな、と思いながら夜までには帰ると言って立ち上がりキスを落として部屋から出ていく彼の背中を見送った。
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まつり(プロフ) - かるぴんさん» かるぴんさん、はじめまして。長々と続いていてすみません。はい、続きも書きますねー。まだ、いつ終わるかもわかりませんが引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。 (2022年7月8日 20時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 引き込まれる文章であっという間にここまで読みました！とても面白いです！大変だとは思いますが、続きを心待ちにしています！お体に気をつけてください！ (2022年7月8日 19時) (レス) @page16 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年7月7日 9時
