unmask15 ページ37
「大切なのは、筋肉強化とと集中力――かな」
しばらくして、彼がそう言った。
「昴さん――ろくに食事もとらないし寝ないのに、それ本気で言ってる?」その時にはだいぶ落ち着いていたので、私も軽口が叩けるようになっていた。
食事と睡眠って、筋トレと集中力に欠かしてはいけない二大要素だと思うけど。
「アドバイスは本気。自分のことは顧みない主義なので」
そういうと構えていた手を離し改めてギュッと私を抱きしめて髪にキスを落とした。
「――そうだな。俺も練習したいし、上司に交渉してみよう」
「何を?」
「たまには君に、プレゼントを贈りたい」
「お酒、飲みきれないくらいあるのがプレゼントだと思ってた」
「あれは日常的な買い物の範疇」
えっと、正直ちょっとした飲み屋さん開けるくらいあるからね?
日常的な買い物の範疇が私の思っていたのとだいぶ違う。間違いなく、桁が違う。
「治療のためにアメリカに来ればいい」って、ごく気軽に言ってたのは本気だったんだと、今更ながら思い知る。
っていうか、本当何なの。スナイパーって。
米花百貨店で拳銃を持っているのは見たけれど、実際に撃っているところはみてなかったから、具体的にどうって思ってなかったけれど。
でも、よく考えたら、教育学部棟の上からA棟の下まで、一発で迷いなく、私の後ろにいた誰かを打ち抜いたのが昴さんなんだよね。
だって、私の前には人がいっぱいいたし――。
その人たちに当てるつもりもなかったし、まして私にだって当てるつもりは全くなかったってことだよね。
もしかして、この人、かっこよすぎるのでは――。
意識しないようにすればするほど、脈拍が上昇していくのがとめられなかった。
213人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - かるぴんさん» かるぴんさん、はじめまして。長々と続いていてすみません。はい、続きも書きますねー。まだ、いつ終わるかもわかりませんが引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。 (2022年7月8日 20時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 引き込まれる文章であっという間にここまで読みました!とても面白いです!大変だとは思いますが、続きを心待ちにしています!お体に気をつけてください! (2022年7月8日 19時) (レス) @page16 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年7月7日 9時