get-well kiss9 ページ21
「昴さん、おなかすかない？」
そう聞くと「何が食べたいですか？――体調に問題がなければ帰宅してもいいと言われていますよ」と返ってきた。
私よりずっと長い間、多分何も食べてないはずなのに。
昴さんは私の右手を手に取り「痛くない？」と聞く。首を横に振ると、それはよかったと私の右手を撫でキスを落とした。
そういえば、救急搬送されて以降、昴さんだけが、一回も『ペットボトルから手を離して』って言わなかったなと思い出す。それまで、救命救急士や医師の言葉を無視したわけではなく、私はペットボトルを握り締めていることを自覚していなかったので、何を言われているのか自覚できなかったのだ。
こんな風にいつだって、無自覚な私にそっと何かを伝えてくれる彼のことが本当に好きだとかみしめる。
銃で撃たれたのと、ナイフを突きつけられたの。
どっちが怖かったのか説明しろと言われてもわからないけれど、少なくとも今の状況の方がずっとましだし心強い。
ボディガードなんていらないってあの頃思っていたのは嘘じゃないけれど、今昴さんが居なくなったら生きていけない気がした。
私が彼にぎゅっと抱きついて、「I love you.」と素直な気持ちを彼の耳元で囁くと、本当に嬉しそうな笑みを見せ、「I love you,too.My kitty」とキスが降ってくる。
そうして、昴さんは改めて私を抱きしめなおすと、優しく頭を撫でながら、耳元で思いつく限り最大級に甘い言葉をあれこれ囁き続ける。それは、英語だったり、日本語だったりして、私はひどくくすぐったくて甘くて、蕩けそうなほど幸せな気持ちに包まれた。
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まつり(プロフ) - かるぴんさん» かるぴんさん、はじめまして。長々と続いていてすみません。はい、続きも書きますねー。まだ、いつ終わるかもわかりませんが引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。 (2022年7月8日 20時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 引き込まれる文章であっという間にここまで読みました！とても面白いです！大変だとは思いますが、続きを心待ちにしています！お体に気をつけてください！ (2022年7月8日 19時) (レス) @page16 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年7月7日 9時
