bomb22—沖矢side― ページ12
撤収までにさほど時間はかからなかった。
Aは、降谷君の采配で既にPTSDの件で通院している病院に救急搬送されたという。
びしょ濡れな上に、確実に別人の姿をしている俺はそのまま病院に行くわけにもいかず、いったん工藤邸に戻ることになった。ついでに途中で愛車を拾う。
米花駅前はいまだに物々しい雰囲気に包まれていた。
「私たち一週間、日本に滞在するんだけど家使っても大丈夫？」
有希子さんが問う。
工藤夫妻は、若い頃世話になった編集者主催のパーティに誘われ、断り切れずに急遽帰国することになったといった。
ついでに、サイン会だなんだと仕事のスケジュールは既にいっぱいらしい。
さすが売れっ子作家だ。
帰国時、久しぶりに電車に乗ってみたら、米花駅がやけに物々しいことに気が付き、公安勤務の知り合いに事実確認――万が一に備えて阿笠博士とともにさまざまな準備をしていたところに、ボウヤからの電話が入ってきた――という。
怖いくらい準備万端だったのにも、それなりの理由があったというわけだ。
「ええ、もちろんです。どのみち、しばらく彼女に付き添うつもりなので――。
少なくとも今夜は帰りません」
たまには家族水入らずですごすのも悪くないと思います――とは言えない。
ちなみにボウヤは、素早く公安の風見さんから盗聴器を回収、ついでに探偵バッチと彼女の荷物まで回収してくれた。
今は、工藤邸の隣に位置する阿笠博士の家だ。灰原哀に無事と経緯を伝えに行ったのだろう。
「あらそうなの。残念だわ。
落ち着いたらぜひ、ここにあの子を連れてきてね？
優作は忙しいけれど、私は時間を持て余しているの。ね？ 私もあってみたいわ」
出がけに、有希子さんから冗談か本気か掴みきれない笑顔でそう言われた。
「私も一度直接会わないと――と思っていますよ。
彼女はあの変装を瞬時に見抜いたのですから。お詫びしなければ」
優作氏の言葉に
「えー？うっそ？ 彼女、どうして見抜いたのかしら。メイクも服も完ぺきだったのに」有希子さんが首をかしげている。
「私もここに彼女を招いたことはないので、ぜひお二人のいらっしゃるときに紹介させていただきます」
そういうと、数日分の荷物をまとめて工藤邸を後にした。
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まつり(プロフ) - かるぴんさん» かるぴんさん、はじめまして。長々と続いていてすみません。はい、続きも書きますねー。まだ、いつ終わるかもわかりませんが引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。 (2022年7月8日 20時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 引き込まれる文章であっという間にここまで読みました！とても面白いです！大変だとは思いますが、続きを心待ちにしています！お体に気をつけてください！ (2022年7月8日 19時) (レス) @page16 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年7月7日 9時
