検索窓
今日:15 hit、昨日:110 hit、合計:103,421 hit

自信過剰な彼氏5 ページ33

「記憶なんて必要ない。何度だってゼロから俺に惚れればいい」

ものすごく真顔でそういった。あまりの自信過剰なセリフに腰が抜けそうになるけれど、流されすぎてもよくないよね?

「――よく、自信過剰って言われません?」

「さぁ、記憶にないなぁ。実際、そうなっただろう?A」

楽しさを含む低くて魅力的な声は、私にしか聞こえない。

「ずるい」

私はここで秀一の名前を呼ぶこともできないのに。

「誉め言葉と受け取っておこう」

「全然、あのね、一ミリも誉めてないよ?シュ……」

腕の中で振り向いて彼を見上げて文句を言おうとしたはずなのに、私の唇は彼の唇にふさがれる。

「昴、ですよ? 他の男の名前なんて呼ばれたら、妬いてしまいます」

自分のことを指して「他の男」言うのはやめてもらっていいですか?
なんて、ここで言ってはダメなことくらい私は把握している。

人目がないからって油断禁物なんだよね、きっと。
死者(ゴースト)とのデートは難しい。

だから、彼にしか聞こえないほど小さな声で苦情を伝える。

「そうやって、スイッチ一つで声音も口調も雰囲気も、すべて変えてみせるのはやっぱりずるい――です」

私には無理だ。
相手の口調が変わっただけで、自分の口調までつられて変わってしまう。

二人は同じ人だって頭の中ではちゃんと、わかっているのに――。

「お嫌いですか? Aさん?」

むっとしている私に、不安そうに問いかけてくるから

「大好きですよ、昴さん」

って抱き着く以外に何一つ、抵抗する方法が思いつかなかった。

愛しい恋人1―赤井side−→←自信過剰な彼氏4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
181人がお気に入り
設定タグ:赤井秀一 , 名探偵コナン , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつり | 作成日時:2022年5月13日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。