危険なランチタイム3 ページ20
「ちょーっと、コナン君大丈夫ー? もう、園子が変なこと言うからーっ」
「蘭の彼氏事情なんて、ガキンチョには関係ないでしょうが!」
慌てて駆け寄る蘭さんにかまわず、悠々とデザートのメロンを食べる園子さん。
打ち合わせと食事が終わった私たちは、一足早くオープン前の美術館を見せてもらえることになった。
「わあ、私まですみません」
部外者であることを申し訳なく思いながらも、心が浮足立つところを見ると、私は記憶を失う前から、そもそも美術館が好きなのだろう。
「いいのよ、Aさん。昴さんに恩を売っておいた方が絶対にいいって、私の直感がそう言ってるんだから気にしないで」
園子さんは思っていることを隠せないタイプなようで、気持ちが口から駄々洩れだ。悪意はみじんもなさそうだし、ここまでくるとなんだか微笑ましい。
「ちょっと、園子ったら!」
隣で頭を抱えている蘭さん。そんなに気にしなくていいのに。
私はにっこり微笑んで申し訳ない顔をしている蘭さんに、頷いて見せた。
――とはいえ、私はその人の彼女ではないので、結局のところ園子さんが思うような恩を売ることはできないと思うけど。真実は話せないので仕方がない。
オープニングの準備でスタッフの人たちは忙しそうだ。
有名な画家の絵が、いくつも飾ってある。
「オープニングの時期だけに借りることができた、特別な絵もいっぱいあるぞ!」
次郎吉さんは満足げにそういった。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月13日 17時