あの人の彼女3 ページ15
「あ、あのね、蘭ねーちゃん、これはえっとその……」
突然コナン君が激しく狼狽した。
まるで彼女に浮気が見つかった人みたいに。
秀一と対峙して大人顔負けの口調で喋っていたのが嘘みたい。
「ほーんと最近のガキンチョはどうなってるの?
社会人のお姉さんをナンパするかな……?」
でもまあ、小学生の友達が社会人だなんて、私、完全に不審者だよね――
「園子ねーちゃん、この人、別に僕がナンパしてきたわけじゃないよ。
Aさんは、ほら、昴さんの彼女さんだから――」
「「えー−!」」
園子さんと蘭さんが二人して声を上げる。公園で遊んでいた子供たちの視線が痛いほどだ。
「ちょっと、うっそ。
昴さんにこんなに美人な彼女がいたの?」
――沖矢昴さん――
突然名前があがった「沖矢昴さん」とは誰なのか。どうしてコナン君は突然そんな誰だかわからない人の名前を出して彼女だと言い出すのか。
全く意味は分からないけれど、園子さんと蘭さんは思いのほか納得している。
「ちょ……なんでいつの間に昴さんに彼女なんてできたのよ、ほんっと信じられない」
「そりゃ、大学院生なんだし彼女ができたって不思議はないじゃない。それに、昴さんに彼女がいるからって、どうして園子が怒ってるの? 京極さんが知ったら悲しむよ?」
がっくりと肩を落とす園子さんに、蘭さんが若干あきれた視線を送っている。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月13日 17時