目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした1【名探偵コナン】 (ページ14)

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あの人の彼女2 ページ14

「わかったわかった。
　一緒にランチごちそうになる。そっちの方がいいんだよね？」

あまりの狼狽ぶりに面白くなって、私は降参した。

「うん、それにさ――。
　僕、探偵だからお姉さんが依頼してくれたら過去を見つけ出すことだってできると思うよ？」

探偵ごっこは小学生の間で流行っているのかもしれない。
私はぐっと伸びをした。さわやかな風が頬を撫でる。

「それはやめておこうかな。」

「え？どうして？僕、あいつらよりはずっと優秀だよ？」

首をかしげるコナン君は本当に知らないのかもしれない。『過去を知らない方が幸せな人間がいる』ってことを。

「知らない方が、たぶん、幸せでいられるんじゃないかな」

秀一が私に過去を語らないのが、たぶんその証拠。
私が過去を知るべきであるならば、秀一がとっくに語ってくれていたはず。そのくらいの時間は十分にあった。

公園の外に高級な車が止まる。

「ちょっと、園子様に迎えに来させるなんていい度胸ね」

車から降りてきたカチューシャを付けた女の子が、腕を組んでこちらを見る。

「――ってあれ？他の子はいないの？」

「今日は用事があるからってみんな帰っちゃった。
　その代わり、別の友達を連れて行っていい？いいよね？」

「コナン君、いいわよ――」

軽く言った髪の長い美人な女の子が車から降り、顔を上げて私を見る。

「って、小学生じゃないんだ？」

不審そうな、不安そうな瞳がまっすぐに私を見据えていた。