モーニングコーヒー1 ページ41
目が覚めると、いつものベッドで隣に秀一が眠っていた。
――私、いつから眠ってたっけ?――
どうやら全く覚えてないけれど、ドライブ中に眠って、そのままここに運ばれてきたみたい。
私は昨日の服を着たままだった。
それでも、久々にゆっくり眠ることに集中できたみたいで、元気が戻っているのを感じる。
秀一は寝息を立てている。でも、私が少しでも動いたら、この人は簡単に起きてしまう。ショートスリーパーの彼を一秒でも長く眠らせたい私は、もう一度目を閉じた。
そのうち、秀一が起きた気配を感じて改めて目を開ける。
「A、おはよう、よく眠れた?」
「おかげさまで。昨夜、運んでくれたんだよね? ごめんね。ありがとう」
秀一は瞳を細めて素敵な笑みを浮かべると、くしゃっと私の頭を撫でた。
「秀一もきちんと眠れてる?」
「実際に今、寝てただろう?」
秀一は、すぐそうやってはぐらかす。
彼がいつ横になったのかなんて、ずっと眠っていた私に確かめる術はない。
でも、意外といつもよりタバコの匂いがしないから本当にすぐに眠ったのかもしれない。
――そうだといいなあ――
私はあきらめて、右隣に寝ている秀一の向こう、ベッドサイドにおいてある腕時計に手を伸ばした。
時刻は朝の8時前。普通の人なら起きて会社に向かっている時間。
――いや、今日は違うわね。日曜日だから――
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月13日 17時