美術館の下見3 ページ23
「予告状が届いたんですよ、こちらに!」
中森警部がキッドから届いたという白いカードを差し出した。
『美術館のオープニングおめでとうございます。
私の為にビッグジュエルまで用意していただき
恐悦至極に存じます
つきましては、貴殿の美術館のオープニングイベントとなるよう
精一杯お祝いさせていただきます
怪盗キッド』
「これ、本当にキッドの予告状? 文章がシンプル過ぎない?」
覗き込んだコナン君が首をかしげる。
そういえば、鈴木財閥にもキッドからの予告状は届いてたって、園子さんが言ってたっけ……?
「そろそろヤツもネタが尽きたんだろうよ」
中森警部はキッドからの予告状だと信じ込んでいるようだ。
コナン君は半ばひったくるようにカードを手に取り、透かしたり、横から見たりと、あれこれ眺めまわしている。
「で、どうします?
オープン日を変えますか?」
少しうんざりした口調で中森警部が問うのは、答えなんて聞く前から予想できるからだ。
「カーッカッカ。せっかくキャツが祝ってくれるというのだ。
新聞でも大々的に取り上げてもらおうではないか」
豪快に笑い声をあげた次郎吉さんは、嬉しそうにそう言い放った。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月13日 17時