決意８ ページ42
緋山side
碧海が百合ちゃんの病室で倒れているという連絡が来たのは、百合ちゃんが運ばれてきてから三日目の昼頃のことだった。
連絡をくれた看護師から話を聞くと碧海は休みを貰った三日間一時も眠らずに百合ちゃんの世話をしていたという。
碧海の体に異常はなく、睡眠不足と過労ということで外来のベッドで点滴をさせた。夕方白石と一緒に様子を見に行くと碧海は目を覚ましていた。
白「碧海先生、大丈夫？」
碧「また迷惑かけてしまって申し訳ないです」
緋「あんたこの三日間寝てなかったんだって？」
そう聞くと碧海は黙ってうつむいた。図星のようだ。
緋「全くねぇ。あんたは…」
碧「もう2度と百合にあんな思いさせたくなかったから」
私の小言を遮り碧海は話始めた。
碧「これ見て」
そう言って碧海はグレーのブラウスを胸下まであげた。そこには二つの手術の跡があった。碧海はブラウスを下ろすと話を続けた。
碧「1つは百合を帝王切開で生んだときの傷。もう1つは……、腹腔内出血の手術の跡」
白「腹腔内出血？」
碧海は白石の言葉に頷いて話を続けた。
碧「百合が生まれてすぐにNICUに入ってた話はしたよね。百合はよく無呼吸発作を起こしたり体調を崩したりしてた。その度になんで元気に生んであげられなかったんだろう、辛いだろうなって。NICUを卒業したあと5ヶ月の時に今回と同じように肺炎になって入院したの。その時に私の中で何かが変わった。それでさ百合と屋上から飛び降りたんだよね。でもすぐにオペされて助かった。心タンポナーデ、腹腔内出血、左腕の複雑骨折。相当だったよ。百合も額を三針縫ったし足を捻挫した。それで私達助かっちゃったんだよ。もうどうしても死ねないんだって思った。なら生きてやろうって」
白「……そうだったんだ」
緋「ねぇ金松さんと離婚したのって」
碧「このときのことでとうとう愛想つかされた」
碧海は泣きそうな笑いを浮かべた。
緋「あんたほんとに大丈夫なの？」
碧「もう大丈夫。私は百合ときちんと、生きていける」
そう言って私の目を見据えた碧海の目には生きる希望と、母としての強さを携えていた。
その日の夜白石、緋山、碧海の3人は冴島の病室を訪れていた。
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ナオ(プロフ) - この作品夢主と藍沢先生は結ばれるの？ (2019年9月19日 20時) (
レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年8月27日 3時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 読んでみて面白かったです。更新がんばってください！応援してます！ (2018年4月26日 16時) (レス) id: 984f627d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり | 作成日時：2018年1月14日 11時
