code-blue〜独りにしない〜

過去４ ページ32

碧「再発……かぁ」


医局の扉ががちゃっと音をたてて開いた。

橘「藍沢から聞いたぞ。検査結果見せろ」

私はしぶしぶ立ち上がり橘先生の前に検査結果を出す。

橘「これって……」

碧「再発です。しかも重度肺動脈弁狭窄症。心臓外科医としては早くオペをすべきです。でも救命医としてはオペは望みません」

橘「どうしてだ？」

碧「重度肺動脈弁狭窄症はカテーテルでは難しいので開胸オペをします。でも開胸オペをすることで職場に穴を開けてしまう。もちろん症状が酷くなればすぐにオペをします。でもとりあえずは様子見でいいと思います」

橘先生は手に取っていたカルテを引き出しにしまった。

橘「これは預かっておく。絶対に無理はするなよ」

碧「大丈夫です。私も元心臓外科医です。限界はわかっています」

橘「それと、担当医だが」
碧「大丈夫です。変えるつもりもありません」
橘「じゃあいいんだな。……金松のままで」

私は小さく頷いた。
その時再びドアが開く音がして緋山が入ってきた。3人でたわいもない話をして盛り上がっていると緋山のPHSが鳴った。緋山が出て話しているとスッと顔色が代わり呟いた。


緋「……心停止」


その声を聞いて私は医局を飛び出した。

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