大切2 ページ19
碧「AFがある。脳梗塞かも」
藍「分かった。頭部CTオーダーしておく」
ヘリ内で帰ったら早く上がらせてもらえるようお願いしないとだなぁと思いながらふと左を向くと灰谷が胃の辺りを押さえている。
碧「えっ？……袋、いる？」
灰「だ、大丈夫です」
姿勢を正すも顔は青白いままだ。その時だった。
碧「嘔吐するかも」
秋元さんが苦しそうにしている。案の定冴島の足元に吐瀉物が散らばる。
碧「誤嚥するとまずい。挿管しよう……カフ固定して」
そう指示を出したときだった。妙に自分の呼吸が速くなっていること、胸の辺りに違和感があることに気づいた。
『再発』
恐ろしい言葉が頭をよぎる。まさかね。最近は小さな発作ですら無かった。
灰「碧海先生、胸どうかしましたか？」
言われて初めて無意識に胸に手を当てていることに気づいた。
碧「なんでもない。冴島、早く……え？」
冴島が呼吸困難に陥っていた。酸素を求めて顔を歪ませている。と、そのまま患者の方に倒れていく。隣の灰谷は口元を覆って咳き込んでいる。何があったのか模索していると冴島の足元の吐瀉物が目に入った。
碧「早川さんっ。何かは分かりませんけど機内が汚染されている可能性があります。窓開けます。……匂いはしない、神経ガス？」
早「えっ汚染？」
自分自身の呼吸もどんどん速く浅くなっていき満足な酸素が吸えない。途端激しいめまいに襲われた。胸の痛みもどんどん強くなっていく。
碧「こちら、翔北ドクターヘリ。ヘリの機内で患者が嘔吐。吐瀉物を浴びた、冴島が意識を、失いました。碧海、灰谷も、吐き気……めまいの症状が、出ています」
藍「……分かった。除染の用意しておく」
碧「おねがっ」
呼吸がままならなくなったのもあったが胸の痛みが急に強くなり思わず無線を切ってしまった。胸に手を当てて呼吸を整える。
冴島に酸素マスクをつけ、体を起こそうと体勢を変えたときだった。
碧「……ッ！！」
灰「碧海先生？」
言葉にならない痛みが私を襲った。これまでのどんな発作にも負けないぐらい強い痛みで私は灰谷先生の呼び声でかろうじて意識を保っていた。
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ナオ(プロフ) - この作品夢主と藍沢先生は結ばれるの？ (2019年9月19日 20時) (
レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年8月27日 3時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 読んでみて面白かったです。更新がんばってください！応援してます！ (2018年4月26日 16時) (レス) id: 984f627d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり | 作成日時：2018年1月14日 11時
