190. 見えない ページ49
A「……何も……見えないけど……」
ヒソカの指の上辺りには何も見えない。
何を言ってるんだろう、ヒソカは。
ヒソカの顔を見上げてみると、なんだか意外そうな顔をしていた。
え、何この顔。初めて見たよ、ヒソカのこんな顔！
呆然とした顔とかは見たことあるけど、意外そうな顔っていうのは初めてだなあ。
ヒソカ「……まあ、いいか……」
突然聞こえたヒソカの声。しかも小さかった。
これは……、ヒソカは『まあいいか』って言ってるけど、本当は全然良くない系の話だ！
私の勘が言っている！
ヒソカ「じゃあ、おやすみ。A」
A「ちょ、ちょちょちよ、ちょっと待って！ 何が良いの！？ さっきの『まあ、いいか』は何！？」
ヒソカが、押さえていた扉を離しそうになっていたから、思わず制止してしまう。
するとヒソカは「200階に来る時には分かるよ、たぶん」と言って、目を細めて笑った。
えー……、200階に来る時には分かる……って……。しかも、たぶんって言ったよ、この人！
っていうか、それだったら今教えてくれたっていいじゃん、もうすぐ200階に行くんだしさ。
ヒソカのケチんぼ。
私は頬を膨らまさせながら、無言でヒソカを睨み付ける。
ヒソカ「くっくっく、キミたちが200階に来るのを楽しみにしているよ」
ヒソカは笑いながらそう言うと、再び「おやすみ」と言って、エレベーターの扉を閉めた。
A「ちょ、ヒソ……、……何なのさ、200階に来る時には分かる……って……」
わけわかんないよ……。ヒソカの指の上辺りには何にもなかったしさ。
ほんと、ただからかってるだけっていうんだったらタチ悪い……。
はあ、とため息を吐くと、チーンと軽快な音が鳴り、エレベーターの扉が開いた。
前々から思ってたけど、ここのエレベーターって移動速度速いよね。
まあ、200階もあるんだから速くないと皆が困っちゃうし、当たり前か！
……とりあえず200階に行けば、ヒソカの行動とか言動の意味が分かるはずだし、
200階目指して明日……、いや、厳密に言えば今日だけど……。
…………今日から頑張ろう！
早いとこ200階行って、ヒソカの言動の意味を教えてもらうぞー！
私はそう心に決めてから、自分の部屋に向かって駆け出した。
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Schiff(プロフ) - チヒロさん» コメントありがとうございます！ おまたせいたしました！ (2015年10月12日 12時) (
レス) id: 5a7ea2af23 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - 待ってます(｡+･`ω･´)ｷﾘｯ (2015年10月5日 17時) (レス) id: f0e9a1a954 (このIDを非表示/違反報告)
Schiff(プロフ) - チヒロさん» ありがとうございます！ 楽しんで頂けてるなら幸いです！ (2015年8月29日 13時) (レス) id: 70f9e0d648 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - おもしろいですね！昨日から見させていただいてますけど、おもしろい！楽しませていただいてます！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2015年8月28日 12時) (レス) id: f0e9a1a954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Schiff | 作成日時：2015年8月23日 11時
