168. アルカと ページ28
「……? おにいちゃん、お名前ないの?」
A「えっ! ちゃんとあるよ。……俺の名前はA。キミの名前は?」
け、結局本当の名前言っちゃった……。だって咄嗟に出てこなかったし……。仕方ない!
それに、本当の名前と偽名ごっちゃになっちゃったら困るしね。これで良かったんだ、うん。
アルカ「へえー、おにいちゃんの名前、Aっていうんだ! 私はアルカだよ」
A「アルカちゃん、かー。良い名前だね」
私がそう言って笑うと、アルカちゃんは「えへへ」と目尻を下げ、頬を緩めて笑った。
可愛いなー。なんだか孤児院のみんなを思い出すよ。
アルカちゃんってばユカの笑い方とそっくりなんだもん。
年下の子はみんな可愛いもんね。生意気坊主はちょっとあれだけど。
……アルカちゃんは幸いにも、私の名前に違和感もってないみたい。
良かった、一安心だ……。
アルカ「Aー、“アルカちゃん” じゃなくて、“アルカ” って呼んでー」
A「……えっ、でも……、いいの?」
アルカ「うん! 呼んで欲しいの」
いいのかな……。まあ、キルアとゴンのことは初めて会った時から呼び捨てだったけどさ。
アルカちゃん、年下だよ。
アルカちゃんが呼んで欲しいって言ってるんだから素直に呼べばいいんだろうけど……。
アルカ「……ダメ?」
A「……ううん、アルカって呼ぶ方が良いならそうやって呼ぶよ」
そう言うと、アルカちゃんの目が、ぱあぁぁ、と明るく輝いて、コクコクと頷いた。
そんなにアルカって呼んで欲しかったのかな。いやまあ、嬉しいんだけどね。
普通、初対面の人に呼び捨てで呼ばれるなんて嫌だって人が多いから。
すると、突然アルカは眉を顰めて私の顔を見つめた。
どうしたどうした、そんな顔して!
アルカ「腕、どうしたの?」
アルカの指がさす方を見てみると、そこにはさっきキキョウさんの光線に当てられた跡が。
アルカは心配そうな顔で傷跡を見つめている。
そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫なのに……。
アルカ「痛い?」
A「ちょっとね。でも大丈夫だよ、心配しないで!」
私は二ッと笑って、怪我してない方の腕で力こぶを作ったけど、
アルカはまだ心配そうな顔をしていた。
優しい子なんだな、アルカは。
「そこにいるのは誰だ」
突然背後から聞こえた声。低くて、ドスがきいている。
誰かと思って振り返ってみると、そこには凄い形相で睨むシルバさんがいた。
92人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Schiff(プロフ) - チヒロさん» コメントありがとうございます! おまたせいたしました! (2015年10月12日 12時) (レス) id: 5a7ea2af23 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - 待ってます(。+・`ω・´)キリッ (2015年10月5日 17時) (レス) id: f0e9a1a954 (このIDを非表示/違反報告)
Schiff(プロフ) - チヒロさん» ありがとうございます! 楽しんで頂けてるなら幸いです! (2015年8月29日 13時) (レス) id: 70f9e0d648 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - おもしろいですね!昨日から見させていただいてますけど、おもしろい!楽しませていただいてます!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2015年8月28日 12時) (レス) id: f0e9a1a954 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Schiff | 作成日時:2015年8月23日 11時