161. 老いと物忘れ ページ21
ゼノ「イルミ、仕事だ」
ゼノさんの言葉を聞いたイルミは、チラリと私の方を見た。
え、なになに。なんで私の方チラッて見たの。
っていうか、仕事が入ったのなら言った方がいいんじゃ……、あ、まだ話終わってないもんね。
もしかしたらモヤモヤしちゃって仕事に支障きたしちゃうかもしれないしね。
なおさら早く話終わらせないと……。
だけど話の終わらせ方がね、分からないわけですよ。
私がどうやって話を終わらせようか構想を練っていると、突然ゼノさんが「あ」と声を漏らした。
ゼノ「そうじゃった、イルミに針渡すの忘れてたわい」
……は！？ ちょ、え、まってゼノさん。どういうこと！？
ゼノさんの言葉を聞いた私は、一瞬耳を疑った。
私が混乱していると、ゼノさんは私に向かって「お主の顔見て思い出した」とか言ってた。
いや、いやいやいや、ちょっとまってよ！ それだったら話変わってくるよ！？
……っていうか、っていうか………
A「ちょっとゼノさぁぁぁん！」
ゼノ「すまんすまん、老いというものでな」
老いというものでな、じゃないよ！ 全くもう！ 思わず叫んじゃったよ。
私、ずっとイルミに針借りっ放しみたいになってるじゃん。
……まあ、自分で渡さなかった私も悪いんだけどさ。
ごめん、っていうのは、平手打ちのこともあったけど、
すぐに返せなくてごめんなさい、っていうのも込めてたから また謝らなきゃいけないじゃん！
でも、全然針の事とか平手打ちの事とかに触れて来なかったからイルミは別に怒ってないのかな。
もしかして忘れてた？
あっ、だから “ ごめんってどういう事？ ” ってずっと聞いてたんだ。
やっとこさイルミの言葉の意味がわかった気がする。いやー、スッキリスッキリ。
スッキリしたところだし、ちゃんと謝りますか。
イルミが怒ってないとしても、私は謝るって決めたんだから。
A「イルミ、私がごめんって言ってたのって、針の事なんだ。返すの遅れてごめんね」
私がそう言うと、イルミは「なんだ、そんな事だったの」と言ってゼノさんから針を受け取った。
そ、そんな事って……。私は謝らなきゃいけないなーってずっと思ってたのに！
ひどいよイルミ！
……まあいいや。あと平手打ちした事も謝らなきゃ。
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Schiff(プロフ) - チヒロさん» コメントありがとうございます！ おまたせいたしました！ (2015年10月12日 12時) (
レス) id: 5a7ea2af23 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - 待ってます(｡+･`ω･´)ｷﾘｯ (2015年10月5日 17時) (レス) id: f0e9a1a954 (このIDを非表示/違反報告)
Schiff(プロフ) - チヒロさん» ありがとうございます！ 楽しんで頂けてるなら幸いです！ (2015年8月29日 13時) (レス) id: 70f9e0d648 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - おもしろいですね！昨日から見させていただいてますけど、おもしろい！楽しませていただいてます！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2015年8月28日 12時) (レス) id: f0e9a1a954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Schiff | 作成日時：2015年8月23日 11時
