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俺とデュエットすんねん。」
帰ってきて早々嬉しそうにそう言ったあと、彼は僕の方を見てすぐに目を逸らす。
純喜くんはメインボーカルで、だからAちゃんとのデュエットの相手に選ばれただけ。そんなのは分かってる。それでも悔しくて、思わず拳を握り締めていた。
「翔也。」
部屋でひとり考えていると、扉越しに純喜くんの声がする。ゆっくりと扉を開けて入ってきた彼は、僕と背中合わせになるようにベッドに座った。
「ちゃんと言うてへんかったから、言わして。」
「何をですか。」
「俺、Aさんの事好き。」
「…今更、知ってますよそんなこと。」
とっくの前から気付いていて、とっくの前から僕たちは拗れているのに。当てつけのように言われた言葉に腹が立つ。
「諦める気、全然ないから俺。」
「そんなの僕だって同じ。」
「でも一番大事なんは、Aさんの気持ちやろ？」
そう言われて振り返ると、いつの間にか純喜くんも僕の方を向いていた。そして、どこか余裕そうな表情で、微笑んだ。
「俺らの変な感じ、みんな気づいてるやん。」
「…はい。」
「Aさんがもし自分のことで揉めてるって知ったら、たぶんめっちゃ傷付くと思う。」
純喜くんは、そう言って立ち上がる。そして部屋の扉の前に歩いて、僕を見た。
「もう辞めよ。俺ら、メンバーやん。」
「わかってますけど、悔しいんですよ。」
「俺もやけど、Aさんを傷付けるって思ったら、俺らのやってる事おかしいで」
分かってる。分かってる、つもりだ。
彼女を傷つけたくないのはもちろんだし、出来るなら純喜くんとも仲良くしていたい。けど、どうしても、男としての何かが僕を邪魔してしまう。
「Aちゃんに、歌を聞いてもらうじゃないですか。」
何も要らないと言う彼女に、僕が思いついたプレゼント。それは、彼女に僕たちで歌を歌う事。目の前で全員のパフォーマンスを見て欲しい気持ちもあって、それを口実にAちゃんを想って歌いたい気持ちがあったから、提案した。
純喜くんの方が歌が上手いのは当たり前。百も承知。
でも彼女を想う気持ちなら、負けない自信があった。
「彼女に想いが伝わるかどうか、僕は試します。」
「…そんなん、結果分からんやろ。」
「僕は聞きます。僕の気持ちがどう伝わったから、Aちゃんに聞く。」
フラれるとか、気まずくなるとか、どうでもいい。
とにかく僕は、彼女を誰かに取られるのが嫌なだけ。
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ゆんこ(プロフ) - 最後あたりの翔也くんにとてもキュンキュンしました (2023年3月27日 21時) (
レス) id: a4539225cc (このIDを非表示/違反報告)
マツ子(プロフ) - ペンバタ。@くれふぁん所属さん» 教えていただきありがとうございます！早急に対応させていただきました。 (2022年10月19日 11時) (レス) id: 67e955b2fa (このIDを非表示/違反報告)
ペンバタ。@くれふぁん所属(プロフ) - コメント失礼します。オlリlフlラついてますよ！違反になってしまうので、外してくださいね。これからも応援してます…！ (2022年10月19日 7時) (レス) id: 7507a04f20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マツ子 | 作成日時：2022年10月18日 22時
