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河野さんに嫌われていることはなんとなく分かっていたし、今日の出来事は不可避だったといえ自覚がなかったのは事実。ナメていると思われても仕方がない。
辞めれるチャンスが来たなら、辞めたいと思った。これ以上自分が傷付くのも、耐えていく自信がなかったから。
「辞めたい？」
「はい。」
昨日のことなら気にしなくていいと言ってくれるマネージャーさんに頭を横に振って否定した私は、少しだけ俯いて言葉を続けた。
「木全さんに、踊っているところを見られました。」
別に、見られてはいけない訳じゃない。ただ、会社の人が気を遣って、隠していいと言ってくれた。何も探られないように、私が傷付かないように、たくさん配慮してくれたのに。
"自慢しても良いくらい上手なのに。"
人に見られるのは練習生の時以来だった。
だからこそあの時に木全さんにかけられた言葉が、嬉しいと。こうして誰かに見せたいと、思ってしまった。
「辞めたい理由は、見られたから？」
「…嫌になるんです、皆さんの顔見たり、活動を知ると。」
そこに行きたい。
私も、これで生きていきたかった。
そう思う気持ちが薄れることはなくて、何かに縋ってしまいたくなるのが、もう嫌だった。
惰性で生きていくことに、早く慣れてしまいたかったのに。
「ごめんね、辞めさせられない。」
社長がどんな約束で私を気にしてくれているのかは分からない。きっと、もう一度、チャンスを与えてくれているのだと思う。
「Aがアイドルを目指すなら、事務所全力でサポートする。」
「社長も、俺も、…他にも、Aを待ってる人、絶対居るから。」
練習生だった頃、少なからず応援してくれているファンは居た。日本に戻ってから、数人だけど声を掛けられたこともある。
嬉しかった。認められていたんだと実感して、もう一度目指してもいいのかと考えたこともある。けど、どうしても怖くて、誰にも言えなかった。
「Aは向いてる。…社長も、お前に笑って欲しいと思ってるよ。」
あんな理由で夢をあきらめた私が、向いてる？
彼らのようにまっすぐに生きていない。河野さんのように、この仕事に真剣に向き合っている人を見て…そんな人の近くにいるくせに、自覚も持てていない私が。
「とりあえず、今日は仕事、よろしくね。」
夢を諦めたまま惰性で生きるか、もう一度初めからやり直すのか。
その答えを、私はひとりで見つけられるのだろうか。
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ゆんこ(プロフ) - 最後あたりの翔也くんにとてもキュンキュンしました (2023年3月27日 21時) (
レス) id: a4539225cc (このIDを非表示/違反報告)
マツ子(プロフ) - ペンバタ。@くれふぁん所属さん» 教えていただきありがとうございます！早急に対応させていただきました。 (2022年10月19日 11時) (レス) id: 67e955b2fa (このIDを非表示/違反報告)
ペンバタ。@くれふぁん所属(プロフ) - コメント失礼します。オlリlフlラついてますよ！違反になってしまうので、外してくださいね。これからも応援してます…！ (2022年10月19日 7時) (レス) id: 7507a04f20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マツ子 | 作成日時：2022年10月18日 22時
