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「あんまり怒ったらダメですよ！」
玄関を出る俺に、翔也が心底心配そうな顔でそう言った。分かってるわ、と笑って答えると同時に、心の中で謝った。
普通、怒るやろ。
今日来なかった理由は、買い出しの帰りに交通事故の通行止めに巻き込まれて迎えに間に合わなかったと。それは、仕方ないと思う。俺が腹を立てているのは、次の予定があるのに、合間に買い出しに行ったこと。マネージャーにも、それを言っていなかったこと。迎えが来ないことで楽屋から出られず、現場の人たちにも迷惑をかけることを、彼女が考えられなかったこと。
階段で下の階に降りて、先程帰ったばかりの彼女の部屋のチャイムを押す。
「…はい。」
「俺。ちょっと話あんねんけど。」
切れたインターホン。鍵を開けるまでの長さにもイラついて、ドアノブに触れながら待った。ガチャっと開いたドア越しの彼女が言葉を発する前に、俺の腹立ちは口から溢れてしまった。
「もうさ、やめた方がええと思うで。」
「Aさんさ、俺らのことナメてるん？」
「代わりならいくらでもいるやろうし。」
彼女は何も言わず、黙っていた。そして数秒の間をおいて、口を開く。
「すみませんでした。」
深々と頭を下げて、彼女はゆっくりと顔を上げる。
「辞めます。」
そう言って閉まった扉。
辞めさせたくて言った言葉だったのに、いざ辞めると言われるとそれはそれでモヤモヤした。
もう一度チャイムを鳴らしても、彼女は出てこなかった。
大平「Aさん、寝てるんかな。」
鶴房「寝坊とかするか？あの人。」
木全「…純喜くん、昨日怒りすぎたんじゃないですか？」
翌朝。彼女は来なかった。
昨日の今日でもう辞めたのかは知らない。メンバーの視線が痛いし、なんとなく申し訳なくて、「洗濯は俺やるわ」と言って立ち上がった時。玄関の鍵が開く音に、全員がそちらに目を向けた。
「翔也、純喜。」
入って来たのは、マネージャー。彼は全員の視線も気にせず、俺の方を見た。そして、ゆっくり俺と翔也の前まで歩いてくる。
「話があるから、みんなとは別で行こう。」
「みんなは後でAさんが来るから、ちょっとだけ待ってて。」
「行こう」と言われた俺たちは、促されるままマネージャーに着いて言った。隣の翔也は何か言いたそうだったけど、俺はそれに気づかないふりをして玄関を出る。
後で来ると言うことは、まだ辞めていない。その事実に安心した俺は、素直にマネージャーの車へ乗った。
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ゆんこ(プロフ) - 最後あたりの翔也くんにとてもキュンキュンしました (2023年3月27日 21時) (
レス) id: a4539225cc (このIDを非表示/違反報告)
マツ子(プロフ) - ペンバタ。@くれふぁん所属さん» 教えていただきありがとうございます！早急に対応させていただきました。 (2022年10月19日 11時) (レス) id: 67e955b2fa (このIDを非表示/違反報告)
ペンバタ。@くれふぁん所属(プロフ) - コメント失礼します。オlリlフlラついてますよ！違反になってしまうので、外してくださいね。これからも応援してます…！ (2022年10月19日 7時) (レス) id: 7507a04f20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マツ子 | 作成日時：2022年10月18日 22時
