お礼はどうする？の段 ページ7
色々あったが伊作とAは医務室へ戻っていた。
「そう言えば、紹介が遅れたね。僕は善法寺伊作。忍術学園の六年は組で、保健委員会委員長を務めている。よろしくね。」
「よろしくお願いします。それと、色々とありがとうございます。こんなに親切にしていただいたのに、何もお礼ができなくてすみません。」
申し訳なさそうにAが目を伏せる。
「お礼なんていいよ。」
伊作が笑顔で答えると、Aが首を振った。
「いえ、そういう訳にはいきません。…そうだ、僕に出来ることならなんでもお手伝いします。なんなりとお申し付けください。」
「えぇ!?いや、本当に大丈夫だって…。」
それから伊作は話を逸らそうと何か良いアイデアが無いか部屋を見渡し、Aが背負っていた風呂敷包みに目を留めた。
「あ、そうだ。Aちゃんが持ってた荷物。はい、これ。」
伊作は文机の上に乗せていた風呂敷包みをAに手渡した。
「あぁ、ありがとうございます。」
Aは風呂敷包みを受け取ると、床の上で風呂敷包みを開いた。
風呂敷包みの中には、少しの着物と、巾着などの小物、薬草のような物が入っていた。
その中身を見た伊作は目を輝かせてAの向かい側に座った。
「こ、これってもしかして薬草!?」
「え、あぁ、はい。」
「これはこの辺では採れない薬草だよ。これも、それも！凄く貴重な薬草だ！」
伊作の予想以上の食いつきにAは戸惑っているが、何かを思いついたらしい。
「あ、じゃあお礼になるか分かりませんが、この薬草全部あげますよ。」
「本当かい!?」
「えぇ、僕はこの薬草の使い道も使い方も知りません。伊作さんが持っていれば薬草でも、僕が持っていればただの雑草です。」
「一体どこで手に入れたの？」
伊作がAに詰め寄り、Aが少し仰け反る。
「忍術学園に辿り着くまでの間にお世話になった人達が、お守りにってくださったんです。」
「え？そんな大事なもの貰っていいの？」
「えぇ、大丈夫ですよ。」
「そういう訳にはいかない。お守りに貰ったのなら大事にしないと…。でも貴重な薬草だ…。」
葛藤する伊作にAが提案する。
「では、私は薬草を少しちぎってこの巾着に入れておく事にします。残りの薬草はご自由にお使いください。」
そう言うとAはそれぞれの薬草を少しづつちぎり横にある巾着の中から小さな筒を出し詰め込んだ。
「これでお守りの出来上がりです。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
駿河 - はるき (2023年2月21日 10時) (
レス) @page2 id: d099db8a14 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんのご友人のご友人 - 更新待機 面白かったです三c⌒っ.ω.)っ ｼｭｰｯ (2023年2月3日 23時) (レス) @page34 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 小松田 女主てぇてぇ眺めておきたい、更新できたら、お願いします！(^^ω) (2023年1月24日 12時) (レス) @page34 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
莉ぃ兎 - はい！三次元のリア充は爆発させたくなりますwww私は腐ってますww多分。←ゆりなです。 (2019年4月29日 17時) (レス) id: 8f6b5d85cc (このIDを非表示/違反報告)
冷奴(プロフ) - ゆりなさん» 私は男女のリア充は爆発させたくなりますねwかと言って腐ってるわけでも無いのですが。多分w (2019年4月28日 11時) (レス) id: 97749a7a82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷奴 | 作成日時：2019年1月12日 17時
