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突然の入学の段 ページ6

「お会い出来るそうだよ。Aさん…だよね?ついてきて。」

「ありがとうございます。」

少女は立ち上がり伊作のあとを追う。

伊作は後ろを歩く少女を気にかけながら学園長の庵へと歩いていく。

庵に着くと伊作は振り返った。

「ここが学園長先生の庵だよ。学園長先生、連れてきました。」

「うむ、ご苦労。」

伊作とAが庵に足を踏み入れた。

学園長はAを見ると座ったままそちらを向き直り話しかけた。

「櫛名田A。よくぞここまで辿り着いた。」

「お初にお目にかかります。何からお話ししたらいいのか分かりませんが…。」

Aが言い終える前に学園長が口を開いた。

「話は聞いておる。」

「え…?」

Aは信じられないという様子で眉をひそめた。

「実はお前の母親から手紙を貰っているのじゃ。」

「母から…ですか?」

益々納得いかないという顔をしたAを気にも止めず学園長は続ける。

「そうじゃ。6年ほど前の話だがな。」

「6年前…?」

そこでAはハッとした様子で聞き返した。

「家が襲われる前ですか?」

「うむ、その通り。手紙が着く頃にはもうお前の家は無いかもしれんが…。」

それまで傍で静かに二人の話を聞いていた伊作は驚きの色を隠せずにいる。

「それで、手紙にはなんと?」

「お前の母親の意向により、お前を今日から忍術学園の生徒とする!」

「「えっ?」」

伊作とAが声を揃える。

「ですが大川殿、学費などは私に払えません。」

Aが静かに答える。

学園長は笑いながら返す。

「それは大丈夫じゃ!お前の母親が既に払っておる。」

「え?6年前にですか?」

「うむ。」

Aがまだ何か言いたげに口をぱくぱくさせている。

その様子を見て伊作は少し意外そうな顔をしている。

(なんだ…意外と普通の子じゃないか。)

あんなに身構えていたのが馬鹿らしく感じたのか、笑顔になる。

「では学園長先生、Aちゃんはどの学年に?」

「まだ決まっとらん!」

学園長の即答に伊作とAがズッコケる。

「大川殿…入ったとして私はくノ一なのですか?」

「うーむそこなんじゃが…。お前が男のふりをしている理由が理由じゃからな。くノ一教室に入れられたら困るだろう。」

「はい。とても困ります。」

きっぱりと言い切る。

「では保留とする!」

再び二人がひっくり返った。

「「適当すぎやしませんか!?」」

「そうか?」

悪びれもせずに学園長が笑った。

お礼はどうする?の段→←ここが忍術学園の段



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駿河 - はるき (2023年2月21日 10時) (レス) @page2 id: d099db8a14 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんのご友人のご友人 - 更新待機 面白かったです三c⌒っ.ω.)っ シューッ (2023年2月3日 23時) (レス) @page34 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 小松田 女主てぇてぇ眺めておきたい、更新できたら、お願いします!(^^ω) (2023年1月24日 12時) (レス) @page34 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
莉ぃ兎 - はい!三次元のリア充は爆発させたくなりますwww私は腐ってますww多分。←ゆりなです。 (2019年4月29日 17時) (レス) id: 8f6b5d85cc (このIDを非表示/違反報告)
冷奴(プロフ) - ゆりなさん» 私は男女のリア充は爆発させたくなりますねwかと言って腐ってるわけでも無いのですが。多分w (2019年4月28日 11時) (レス) id: 97749a7a82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷奴 | 作成日時:2019年1月12日 17時

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