モテ期襲来の段 ページ28
どうやらブロンドの子がユキちゃんで、藍色の髪の子がトモミちゃん、そして少ししんベヱに似てる子がおシゲちゃんらしい。
くのたま達は、一向に僕の周りから離れる気配が無い。
流石にこのままでは気まずいし、なんとか離れてもらわないとな。
「君達、ご飯を食べに来たんじゃないの？」
僕はさり気なく話題を逸らそうと試みた。
「あ、そうだった。」
するとくのたまは思いの外、素直に引き下がってくれた。
僕は胸をなで下ろしながら厨房に戻り、料理を始めた。
そうそう、手伝いをしていて思ったのは、食堂のおばちゃんって大変なんだなってこと。
だってこんな大人数のご飯を作らなくちゃいけないんだよ？
僕は二人でも大変だと思うのに、これを一人でやっていたなんて凄すぎると思う。
料理が出来たので、僕は料理を持ってユキちゃん達のテーブルに向かった。
「はい。お待たせ。」
「わぁー、ありがとうございます！」
そんなにテンション上がるかな。
焼き魚定食。
焼き魚定食でテンションが上がる女の子も居るのか。
僕が思案していると、伊作さんが声を掛けてきた。
「ねぇ、A。ちょっと良いかな？」
「なんでしょうか。」
僕がそれに応じて傍へ行くと、伊作さんは何か言いたげに上目遣いで僕を見つめる。
伊作さんが座っていて、僕が立っているのだから必然的にそうなるのだが、更に伊作さんは少し顎を引いて目だけで上を見るので、最高に可愛らしい上目遣いだった。
「どうしたんでしょうか？」
僕が不覚にも少しきゅんとしてしまい、思わず抱きしめそうになるのをぐっと堪え、平静を装って伊作さんに尋ねる。
「その、さっきはごめん。」
「え、何がですか？」
「いや、Aちゃんって呼んじゃったから。」
わざわざそんな事を言うために僕を呼んだのか。
いや、そんなはずはない。
「それは気にしなくて良いですよ。」
「そっか。」
伊作さんはまだ目線を忙しなく動かして、何か言いたそうにしている。
はっきり言ってくださいよ。
僕は、少し意地悪してやれと思い、待っていればいいものを、わざと伊作さんから離れようとした。
「お皿洗わないと。」
振り返り戻ろうとする僕の手首を、伊作さんが掴んだ。
「あ、待って！ごめん、まだあって。」
知ってますよ。
「なんですか？」
「僕の事、先輩って呼んで欲しいんだけど。」
「あぁ、そういう事ですか。分かりました、伊作先輩。」
なんだ、そんな事のためにこんなに可愛い真似を。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
駿河 - はるき (2023年2月21日 10時) (
レス) @page2 id: d099db8a14 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんのご友人のご友人 - 更新待機 面白かったです三c⌒っ.ω.)っ ｼｭｰｯ (2023年2月3日 23時) (レス) @page34 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 小松田 女主てぇてぇ眺めておきたい、更新できたら、お願いします！(^^ω) (2023年1月24日 12時) (レス) @page34 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
莉ぃ兎 - はい！三次元のリア充は爆発させたくなりますwww私は腐ってますww多分。←ゆりなです。 (2019年4月29日 17時) (レス) id: 8f6b5d85cc (このIDを非表示/違反報告)
冷奴(プロフ) - ゆりなさん» 私は男女のリア充は爆発させたくなりますねwかと言って腐ってるわけでも無いのですが。多分w (2019年4月28日 11時) (レス) id: 97749a7a82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷奴 | 作成日時：2019年1月12日 17時
