からかわないでの段 ページ19
「きり丸、大丈夫？」
「…はい。」
Aがきり丸から手を離す。
きり丸はぽかんとAを見つめる。
「どうした？料理が冷めちゃうよ？」
Aは余裕の笑みできり丸を見る。
きり丸ははっと我に返ると急いで料理を口に運ぶ。
「なんなんだ…？」
勘右衛門が隣の兵助に耳打ちする。
兵助は返事をする代わりに肩を竦める。
皆、少し顔を赤らめてAを見つめるばかりだ。
きり丸だけがAから目を逸らし、空になった皿をひたすら睨んでいる。
「きりちゃん、皿に穴でも開けるつもり？」
Aがまたきり丸をからかう。
「Aさん、きりちゃんをからかわないであげてください。」
乱太郎が気まずさに耐えかねたのか、きり丸を可哀想に思ったのか、Aに声をかける。
「からかってるつもりは無かったんだけど…。」
Aは悪びれもせずに屈託なく笑う。
乱太郎が呆れながらAを見る。
「からかってますよね？」
「そう見えた？じゃあごめん。」
皆が心做しかほっとしたように見えた。
するとAは、横に座っているきり丸の頭に手を置きふわりと微笑んだ。
「きりちゃんがあまりにも可愛かったからさ。」
「〜!!」
きり丸が勢い良く立ち上がりAを睨む。
「からかわないでくださいよ！乱太郎、しんベヱ、俺もう行くから。ご馳走様でした!!」
きり丸はそう叫ぶと食堂から走り出た。
「あぁ…。からかい過ぎちゃったか…。」
Aが小さく呟く。
「やっぱりからかってたんじゃないですか!!」
乱太郎が立ち上がり、大声を出す。
「あ、しまった。」
Aは口元を手で隠して乱太郎を見る。
「どうするんですか？きりちゃん、凄く怒ってましたけど。」
乱太郎が溜息を着きながら再び席に着く。
「僕、きり丸探してくる。」
しんベヱが立とうとすると、Aが手で制止した。
「いや、僕が悪かったんだし、僕が探してくるよ。ごめんね。何処にいるかな…。」
Aはそう言い、食堂から出るかと思うと、また厨房に戻り、何かを作り始めた。
「行かないんですか…？」
乱太郎が不安げに尋ねる。
「ん、もうすぐ行くよ。」
「わぁ、いい匂い！」
しんベヱが鼻をひくつかせる。
Aは焼き菓子を作っていたのだ。
「これ、食べてていいよ。」
Aは焼き菓子を皿に乗せて食堂のテーブルに置き、少し取り分けた焼き菓子を紙に包むと、懐に入れて食堂を後にした。
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駿河 - はるき (2023年2月21日 10時) (
レス) @page2 id: d099db8a14 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんのご友人のご友人 - 更新待機 面白かったです三c⌒っ.ω.)っ ｼｭｰｯ (2023年2月3日 23時) (レス) @page34 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 小松田 女主てぇてぇ眺めておきたい、更新できたら、お願いします！(^^ω) (2023年1月24日 12時) (レス) @page34 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
莉ぃ兎 - はい！三次元のリア充は爆発させたくなりますwww私は腐ってますww多分。←ゆりなです。 (2019年4月29日 17時) (レス) id: 8f6b5d85cc (このIDを非表示/違反報告)
冷奴(プロフ) - ゆりなさん» 私は男女のリア充は爆発させたくなりますねwかと言って腐ってるわけでも無いのですが。多分w (2019年4月28日 11時) (レス) id: 97749a7a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷奴 | 作成日時：2019年1月12日 17時
