40話│最後の告白 ページ18
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「暗いし家まで送るよ」
「悪いよ、あ……えーっと……お願いしてもいいかな？」
「喜んで！」
危ない危ない、いつもの癖で断るところだった。遠慮しないと決めたんだ。
少し歩いた後、松風くんがねぇ、と私の方を見ながら言った。何を話し出すのか予想がつかず、彼の方を見ながら、どうした？と聞いてみた。
「手、繋いでもいい？」
手？繋ぐ？…………手を繋ぐ！？そ、そんな、カップルみたいな事を！まだ私には早い気がするし、悪いけど断らせてもらおう。
「は、は、はい！どうぞ！」
しかし、何をとち狂ったか自ら松風君の方へ手を勢い良く差し出してしまった。思考に対し行動が逆を行くのは何でなの私！そんな私のおかしな姿を見ても、松風君は柔らかく微笑んで私の手をそっと握ってくれた。彼は今まで見た事が無い表情をしていて、なんだか艶っぽい。
握られている片手が熱い。緊張して汗が滝のように溢れ出して来ている気がする。心臓も心配になるほどドクドクとはっきりと脈を打ち、繋いでいる手からこの音が彼に伝わっちゃうんじゃないかと不安になる。
手を繋いでからはお互い多くは話さず、静かな道が続いた。手汗が気になり繋がれた手をモゾモゾと動かそうとすると、ギュッと強く握られ叶わなかった。家に着き、ここ私の家だから、送ってくれてありがとうと言えば繋いでいる手をぐっと引き寄せられた。彼の腕の中に引き込まれ、ぎゅっと私の背中に手を添え優しく抱きしめる彼。何が起きたのかを一瞬で理解できず、理解できた時にはへ？あ、あの……と情けない声が出ていた。
その後すぐに離されたと思ったら、またあの艶っぽい表情でA、好きだよ、と。
驚きで固まっていれば、じゃあね！と手を振りさっさと来た道を戻って行った彼。時間にしては五秒にも満たなかった思う。そんな短い一連の流れの中、彼の腕の中で感じたのは、彼も心臓を忙しなく動かせていたということだ。私だけじゃなかった。ドクドクと心臓をいつも以上に働かせ緊張していたんだ。彼も私と同じなんだ。
彼からの抱擁は突然の事だったが、嫌悪感は一切なく、むしろ喜んでいる自分が居た事に気付いてからは、先程の抱擁と二度目の告白も重なり、身体の芯が熱を帯びていくのをまざまざと実感した。
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わたぐも(プロフ) - サッカーバカなだけじゃない天馬、めちゃいいです…！私もイナゴ書こうとしてるんですがマツリカさん本当に試合の描写が上手くて尊敬です…！ (2022年12月12日 4時) (
レス) @page25 id: ca594b6313 (このIDを非表示/違反報告)
きざみん - 応援しています！頑張ってください！ (2021年12月27日 15時) (レス) @page21 id: 9835f2cbf2 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪朱雪(プロフ) - ご自分のペースで頑張ってください！応援してます！！ (2021年12月20日 23時) (レス) @page21 id: e9bd362da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マツリカ | 作成日時：2021年12月2日 21時
