─── ページ17
.
鬼道さんのやり方に疑問を抱く部員は他にもいたようで、二日目の今日にしてボイコット宣言の部員が二人と、何故か連行された影山君の三人になってしまったらしい。松風君は信助君に励まして、続けてみよ？と言ったら『化身が使えて』『鬼道さんに嫌がらせされてない』天馬に『僕の気持ちわかるわけない』と言われ、走り出してしまったと。
最初に思ったのは、信助君の気持ちは痛いほど分かるな、だった。一緒に入部した天馬がこんなに先を行っているなんて、僕はどうして出来ないんだ、と信助君は考えてしまったのかもしれない。
「ていうか、Aちゃん待っていてくれたの？」
「あ、うん……。何だか皆いつもと様子が違うなと思ったら心配で」
「心配させちゃったね、ごめんね」
「謝らなくていいよ、私が勝手にしているだけだから」
そういえば皆には待つことを言っていなかった。葵ちゃんの問いかけに返せば、要らぬ謝罪を松風君にさせてしまった。
「今は環境が変わって大変だと思うけど、負けないでね。気負いしちゃだめだよ？松風君は変に頑張っちゃうから」
「え！？そうかな……」
「そうよ！天馬は頑張りすぎ！まあそこが良い所だけどね」
良い所、と葵ちゃんが言えばそうかな？と照れ気味に言う松風君。葵ちゃんはAちゃんもそう思うでしょ？と私に振ってきた。
「う、うん。良い所でもあると思うよ？」
褒めるのがこんなに恥ずかしいなんて。詰まりながら言えば松風君はもっと照れてしまった。
「二人して照れちゃって！じゃ！私はこっちだから！」
ばいばーいと手を振り離れていく葵ちゃん。もうそんな所まで歩いてきたのか。それよりも！ここで二人きりにするのは酷じゃないかな！
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたぐも(プロフ) - サッカーバカなだけじゃない天馬、めちゃいいです…！私もイナゴ書こうとしてるんですがマツリカさん本当に試合の描写が上手くて尊敬です…！ (2022年12月12日 4時) (
レス) @page25 id: ca594b6313 (このIDを非表示/違反報告)
きざみん - 応援しています！頑張ってください！ (2021年12月27日 15時) (レス) @page21 id: 9835f2cbf2 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪朱雪(プロフ) - ご自分のペースで頑張ってください！応援してます！！ (2021年12月20日 23時) (レス) @page21 id: e9bd362da8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マツリカ | 作成日時：2021年12月2日 21時
