第五十九話 ページ9
Aside
北「おはよ、東明」
「うん、おはよう」
よく、学校で配られているあれ。悩みや相談があったら電話しようって言うやつに電話してみればいいのかな。いや、でも、自分のなかでもあんまり整理ができてないから人に話すなんて無理だ。
何て言えばいいのかわからない。
北「何か、難しい顔してるな」
「え、まぁね。元々こういう顔だよ」
(え？顔？待って、北本何て言った？)
北「え？(笑)ホントにどうしちゃったんだよ」
隣を歩く北本が可笑しそうに笑う。私は笑ってられないけど。というよりそもそも自分が何て言ったのかを覚えていない。
「じゃあね」
北「おう」
クラスが違うから北本と別れ、自分の席についてまた考える。
このモヤモヤは一体何なんだー！！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
お昼休憩になってまだモヤモヤが収まらない。なんとなく、図書室に行って、調べてみることにした。何の本を読めば解決法方がわかるんだろう。
(探すのに時間がかかる＿＿!!)
図書室のなかをうろちょろしていたとき、不意に声をかけられた
??「Aちゃん？……やっぱり！Aちゃんだ！」
聞き覚えのある声に、後ろを振り向く
「あ、多軌」
多「名前、覚えててくれてるんだっ。嬉しい」
(ま、眩しい……)
声をかけてきたのは多軌で、最後に話したのは当分前だ
多「こんなところで何してるの？」
「探し物…かな」
何て答えればいいかわからなくてそういった
多「へぇ〜……あのさ、…これ、今聞くのもどうかと思うし、そもそも聞いていいものかわからないんだけど、言ってもいい…かな」
先程までテンションが高かった多軌が、表情を少し曇らせ、そう言って首をかしげる
「えっと、何を？」
多「……ストレートに聞くね、Aちゃんと夏目くんって、別れたの？」
「へ？」
“別れる”？
別れるって、離ればなれになるってことだよね？多分。
私と夏目が……？
「ご、ごめん。どういうこと？」
多「え、あっ、違った？ごめんっ！踏み込みすぎだよねっ……」
意味を聞き返すと多軌は恥ずかしそうに頭をかいて笑う
多分。多軌は勘違い？してる
「いや、違うんだ。別れるって、どういう意味？意味、知らなくて……多分私が知ってる別れると、多軌の言ってる別れるの意味が、違う、気がする」
そう、何となく違和感を感じたんだ。多軌の言ってる別れるはきっと私の知らない別れるの使い方だ
最初、戸惑うような表情を見せた多軌だが、すぐに、分かったと言いたげな表情をして＿＿
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作者名：穴 | 作成日時：2020年8月25日 19時
