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第五十八話 ページ8

名取side

名「夏休みはいつから?」

「来週の木曜日からです」

名「そうか……よし、あと一週間のうちに、用意しておくから、夏休みは妖についての基礎的なことから簡単な術を教えよう」

「有難うございます!」

瞳を輝かせてそういうAちゃん

名「明日は寝坊しないよう気を付けるんだよ?」

「はい……今日の朝は本当にすみませんでしたっ。お陰で間に合いましたけど…」

名「いいんだよ。じゃあね」

朝に弱いこと以外はなんとかなっているようで、少し安心してマンションを出た

柊「東明は起きられますかね?」

名「起きてなかったら起こしてやるんだよ」

柊「それでは主様が__」

名「じゃあお前がやってくれないか、頼んだぞ」

別に面倒くさいわけではないけど、おれは車て来なきゃ行けないのに、柊なら一っ飛びだ。適役だな

柊「手に負えません」

名「だからおれがやる」

寝言が聞けるしね。

柊「……大体なぜ東明にそこまで…」

名「さぁ、何でだろうね……」

考えてみれば、さっぱり分からない。こんな面倒事、頼まれてもない、ただ相談されただけ。なのにわざわざ、いつのまにやら。

ただの夏目の友達なのに。

“何故”?

こっちだって聞きたいさ、いつのまにかこうしてたんだから

___________

Aside

田“夏目にとって、東明は必要な存在、なんだと思う”

“へ?”

田沼の言葉に、拍子抜けした。私が理由を話したあと、なんでそんな話しになったのか、よく分からなかった

田“あ…急にごめん…ただ、おれが言いたのいのは、思ったのは、夏目にとっての東明って…きっと、俺たちみたいな友達なんてものじゃなくて、もっと……こう、大事なものだと思うんだ”

“うん?”

それは私だって同じだった

田“だから、東明が、夏目のためを思って夏目の側からはなれても、夏目は、そんなこと、望んでないって言うか…嬉しくないっ言うか…”

“んぅ……でもそれは、田沼がそう解釈しただけで、夏目の本当の気持ちではないでしょ?”

夏目が私を必要とするなんて、まずあり得ないことだから。ニャンコ先生だっているし、塔子さんや滋さん。西村や北本達だって。その間に私の入り込む隙間はない

田“……そう、だよな……おれ、結局何が言いたかったんだろうな…”

田沼は前を見つめたまま、それ以上何も言わなかった。

その日からずぅぅっとモヤモヤしている。うん、これは確実に田沼のせいだ。お陰でバイト中に、“笑顔大事だから”って何回言われたことか。

そして土日を挟んだ月曜日の今日も、ずっと頭の中がぐるぐるしている

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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