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第九十話 ページ40

Aside

そう言う的場さんに名取さんが

名「私がさせませんので」

名取さんはどれ程的場さんを敵視しているのか、何だか的場さんが絡んでくると名取さんは攻撃的になる。いつもなら軽く交わして笑ってるのに

的「では」
七「またな、名取」

二人はが去ったあと。残された私たちの間には何とも言えない空気が漂っていた



_________
的場side

七「どうです?」
的「まぁ、なかなかいいんじゃないですか」

曖昧な返事をしつつ、手のひらの中の壺を見つめる。
これは先程彼女から引き渡してもらった、獣が封印されている壺

七「じゃあ使えそうなんですね?」
的「いえ、使えません」
七「?」

かえってきて、壺を割ってまず始めに交渉を試みたが獣が言葉を介せるわけもなく、反応を示すだけだった。
仕方なく術で従わせてみたが、それきりだ。

七「__つまり弱りきっていると言うことかい?」
的「そんなところだ」

おおよそ彼女のあの陣でもともと少なかった体力を削られたんだろう。

壺の封を解いていても、一向に出てくる気配もなく、抵抗もない。

的「餌にする他無いでしょう」
七「アレへのですか?」
的「あぁ」

早く。準備を進めなければならない

キリのいいところで筆を止め、立ち上がり庭を眺める。
隣では七瀬も同じようにしてため息をついている

的「どうかしたんですか」
七「いや、以前話したことがありましたでしょう、祓い屋が襲われているやつさ」

そういわれ思い返す。確かにそんな話をされたことがある。被害の規模も小さく、他の者達でも何とかなると見込んでいた件だ。それがまさか七瀬にため息をつかせているとは、余程の事態になっているのか

七「また被害が出たよ。妖に操られてる人間ってのは、厄介だねぇ

どうしたものか……」

あらかじめもし被害が拡大したときのため、考えておいた方法がある

的「また会合を開きましょう。…言わなくても、貴女なら意図が分かりますね?」
七「…なるほど。一ヶ所に強い者達が集まれば、ボロでも出すだろう。ということですか」

返事をしない代わりに笑って見せる。

七「いつになさるおつもりで?」
的「来週にでも」
七「分かりました」

そう言って下がろうとする七瀬を引き留める。

七「他にも何か」

一瞬、浮かんできた考え。

ニヤリと口許が歪む
いいことを思い付いてしまったかもしれない。

的「彼女を使ってみようかな」

私の言葉を聞き、ため息をつく七瀬。だが分かったとだけ言うと、下がっていった。

鼻唄を歌いたくなる気持ちを抑え、仕事に取りかかる。

(ちっとは面白くなるかな?)

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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