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第八十七話 ページ37

名取side

「じゃあポイントの絞り込み、で合ってますか?」

名「あぁ、うん。はい、これ」

地図に出現ポイントを印したものを見せる

名「これまで現れたところをみて欲しいんだ。気づくこと、あるよね?」

彼女はすぐに理解したようだ

「だいぶん偏っているな…この辺りが、住み処ですかね」

印がつけられている部分はさまざまだが、ある点を中心にしたような円の円周上、もしくは円の中が殆どだ

つまり、何が理由かはまだわからないがそれより外では襲ってこない。という予測ができる。

名「そうだね。じゃあ次、Aちゃんなら、どんな方法で封印する?」

「あ、それはもう考えてあります!妖力が強くて動きが早いんならそれを封じてしまえばいいので、罠を仕掛けちゃいます!」

名「罠?」

「はい、この円にそって円と同じ大きさの陣を書きます。その陣を踏むと足止めしてくれる術です。何かの書で読んだことがあります。そして、引っ掛かったところを壷に封印します」

(なるほどね……確かに、いい案かもしれない)

少し手間はかかるが、その分確実だ

「罠から出ようと暴れることで、体力を消耗させることもできちゃうので、封印の術に強い力を使わずに済みます!」

親指をグッとつきだし、どやっているAちゃん

名「あははっ!……うん…っそうだね」

じわじわと笑いが込み上げてくる。

(Aちゃんでもドヤ顔するんだ……いや、無自覚か…)

俺が笑っている理由がわからず、首をかしげている

「笑うポイントがわかりません」

笑いの止まらないおれに、次第に顔が険しくなっていく。
むすっとしたその表情に、可愛いな、なんて思ってしまう自分がいた。



(独り占め、出来れば、いいのに…)

ふつふつと要らない感情たちが沸き上がる。その感情たちが示すものは、何て言うものかも、分かりきっている。

でもおれは、それに蓋をしなければならない。蓋をしていないと、後から自分が辛くなるだけだということを、予想できるから

ずっと、こんな日が続けばいいのに……


「名取さん?」

名「っ………なんだい?」

気がつくと、Aちゃんがこちらの顔を不思議そうに覗き込んでいた。
急に黙ったおれを不審に思ったのかもしれない

「いえ〜?急に黙っちゃったので」

名「ごめんごめん。」

「今更謝ったって遅いんですからねっ」

彼女は頬を膨らませ、少し先を歩いていく

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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