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第八十三話 ページ33

Aside

確かに一門に入れば、もっとずっといい思いが出来るかもしれない。自分のたけた部分を最大にいかせるのかもしれない。でも

「私は貴方のやり方は好まない。」

的「名取のもとにいても貴女は強くなれない」

ザワッ

「強く__」

“強くなりたい訳じゃない”
そんな言葉が口をついてでようとした。

(何言おうとしてるんだ……)

私は強くなりたい。確かにそうだ。けど、この人みたいな強さを目指してるんじゃない。

違うはず

私が持っていたい強さって言うのは、この人とは違う強さ

的「彼は紙の術に長けてはいるがハッキリ言ってそれだけだ。そもそもの妖力も貴女を下回っている。

そんな人のもとにいて、貴女は一体何がしたいんです?」

ザワザワして、気持ち悪い。

この人には、分からない。
この人とは、理解し会えない。

的場さんの声が、ノイズのように耳にはいってくる。

「的場さんには、分からないと思います」

率直な感想

的「……」

「確かに名取さんはそうかもしれないけど、私が目指しているものを、多分的場さんは教えてくれない」

的場さんといると、いつも胸がざわざわする。不安というか、何というか、嫌な感じがしてしまう。

でも名取さんといると、安心できる。夏目と一緒の時だってそうだ。
この人についていけば、私は私の目指す強さを知れるって、夏目を守れるような日が来るって。

多分もうそこから違うんだ。
私は的場一門に入って、強くなるっているビジョンが見えない。
それも一つの方法かもしれないけど、私には合わないものだと。そう思っている。

的「……」

見上げると、傷ついたような瞳

「ぁ」

でもそれは一瞬で、まばたきをした時には、いつものにこにこ笑顔だった。

的「そうですか。今回は諦めましょう」

そう言ってパッと手を離してくれる。

諦めてくれて、今日は的場さんの口から、塔子さん達のことや脅すような言葉が出なかったことにほっとする

的「それより、少し話がしたいんです」

「へ?」

(もしかしてまた__)

脅されるんじゃ__

的「個人的に、興味があるので」






・ ・ ・ ・ ・ 。







名「Aちゃん!」

ビクッ。

その声に反応して、後ろを振り替える。

「名取さん……」

急いで探してきてくれたようで、肩で息をしている

的「また名取ですか。…あぁ、周一さんがAさんを連れ回しているのですね」

その言い方は違う

「私が、頼んだんです」

名「……もう、帰ろうか……」

的場さんは引き留めることはなかった___

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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