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第八十一話 ページ31

Aside

混乱と恐怖だけが私を襲う。

「あ、あの?人違いだとおもいますけど?!」

何とか言葉を発しても一向に聞こえている気配のない老人

(や、やばい……)

??「お前は跡取りとして来い!!」

「え?!ちょ………」

そのまま手を強くひかれ、人混みを掻き分け進み始める。

(このままじゃ流石にまずい…)
かといって暴力はよくないし、タイミングを見て__

「離して、くださいっ!」
??「!?」

思い切り手を振り払い人混みを掻き分け引っ張られていたのと反対方向に進む。

ドンッ
男「痛ッ!!」
女「キャア?!」

いろんな人にぶつかりながらもとにかく逃げることだけを考える

??「待て!!」

少し後ろを同じようにして追いかけてくるお爺さん。お爺さんの方が体格がいいから進むのが早く、追い付かれてしまいそうな勢いだ。

(何で私?!絶対人違いだ__!!)

何故そこまでして私に執着するのか。
さきほど男は“跡取りとして来い”と叫んでいたけど、どういうことなのか

人を掻き分け進んでいるといつの間にか段々と人も少なくなってきて、奥へ続く一本道を進む。
明らかにここら辺は使われている様子は無いし……捕まったら……

ちらっと後ろを見てみるが、まだ追いかけてきている
(いったい何なんだ……)

そしてその一本道の突き当たりを曲がったとき__

ドンッ!!!

今日一番の衝撃が!
「ッ?!」

真っ正面から誰かとぶつかり、その反動で床に尻餅をつく。

??「追い……ついたぞ……」
「ぁッ」

追い付かれたお爺さんにグイッと片腕を後ろにひかれた。

(どうなるんだ……私……)
??「お前は、跡取りに、来いっ!!」

ずるッと腕をそのまま引かれ、引きずられそうになった時。


的「それは聞き捨てなりませんね」


「「!!!」」

見上げた先には、今日は、居ないと聞いていたはずの人物。

ドクン

心臓が痛い。
急に、先ほどとは違う不安が襲ってくる

??「的場…… 」

お爺さんは的場さんを見た途端。パッと私の手を離し、的場さんを睨み付ける

的「帛正さん。この娘を跡取りにしようとなさるおつもりで?」

帛正(ハクセイ)と呼ばれた男は、その言葉にぐっと眉間にシワを寄せ、明らかな嫌悪感を露にした。

私は的場さんと帛正というお爺さんの間に挟まれて床に座り込んだまま

(これって…助かった、の?)

帛「そうだ。お前の家には関係のないことだ。」

震え上がるぐらいの低く強い、掠れた声。だが的場さんは臆することなく、あのにこにこした笑顔のまま。




※帛正はオリャキャラです

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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