第五十四話 ページ4
名取side
本家へ帰る車の中、一人ため息をついた
おれは本当にこんなことをして良かったのか。という疑問が、未だにおれの中にある。
あの時は、彼女にああは言ったものの、正しかったのか、間違いなのか、わからないでいる
あの時、うちに来ればいいと言った理由は、大きく分けて二つだ
おれは彼女のことを全く知らないから、大丈夫だと思った。知らなければ、それ以上を知ろうとする必要もないし、適度な、他人としての距離を保てるからだ。
それに、彼女の気持ちが、理解できたから。Aちゃんは夏目がすごく大切で、傷つく姿を、これ以上みたくないって。だから強くなりたい。一人で生きていきたい。
それを聞いて、何もしないなんて選択肢は無かった
“嫌われたくないから”
「……………」
Aちゃんのそれとは違うけど、夏目もきっと同じなんだとおもう。
お互いか間お互いを思い、傷ついている姿を見たくないから、逃げて、距離を取り合っている……相手のことを思いやってのはずが、溝を作っていく。
なんて言い表せばいいんだろう
てとも、おれには難しい
(一応、明日朝は余裕があるから見に行ってみるか…)
___________
翌日
(朝八時だけど、さすがに学校に行ってるか?……)
試しに、合鍵とパスワードを使って、中には行っては見たけど、静まり返っていて、人の気配はしないように思える
(てことはAちゃんはもう学校かな?……というより暗い!!)
だがリビングに進むと、何やらモゾモゾとソファのところで何かが蠢いている
(う、嘘だろ?…)
パチンと側の明かりをつけてみると__
名「!!」
そこにはソファで未だ眠っているAちゃんの姿
(嘘だろ?!まだ起きてなかったのか?!今日は学校休み?…いやありえない。昨日聞いたらうなずいてたし…最近の学生は登校時間が遅まったのか?)
頭の中で色んな考えがぐるぐるめぐるが、全くわからない。そこで、とにもかくにもとりあえず起こすことを選択した
名「Aちゃん?」
「ん〜」
とりあえず声をかけてみるけど、唸り声をあげただけで、特に反応無し
名「おーい、八時すぎだよ?」
肩を掴んで軽く揺すってみるけど、全く反応無し
名「Aちゃん?」
何回か揺すってみるけど、全く反応無_
「_プリンじゃなぁ!!」
名「?!」
“プリンじゃなぁ!”?
プリンじゃない!って言いたかったのか?
名「クスッ」
(どんな夢を見てるんだか……)
和んだのも束の間、我に返って時計に目をやると__
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作者名:穴 | 作成日時:2020年8月25日 19時