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第八十話 ページ30

名取side

暫くAちゃんを連れて、話をしたりしながら、妖について教えていると、色んなひとに話しかけられた。

殆どが冷やかしなどだが。

女「おや名取。その子は?」
男「新しい式かい?随分形がいいな」

相変わらずずけずけと踏み込んでくる人達。その人達からAちゃんを、背中に隠す。

的場のように、何も知らない彼女を利用しようとするものが居るかもしれない。ほとんどがそう言う人というわけではないが。そう人達もいるのだから、警戒しないに越したことはない

名「彼女は弟子ですよ」

女「へぇ、女の子の?」

男「なんだ、式じゃないのか」

そう応えると、その男女はつまらなそうにしてそばを離れていく

大方、新しい式だと勘違いしてからかいにでも来たんだろう。

(Aちゃんには、危ないかもな……)

名「Aちゃん、危ないかもしれないから、外で待ってて__?!」

振り向いて声をかけると、背に隠していたはずのAちゃんがいない!

(いつのまに……!!)

慌てて辺りを見回すけど、全く見当たらない。彼女は女の子の中ではまだ背が高い方だが、あれだけ華奢なんだから、人の波にもまれて流されてしまったのかもしれない。

(急いで探さなくては……)

目を離したことを後悔しながら、その場を離れ、探しに行こうとしたとき。

一つの声が、おれを呼び止めた


七「おや、名取じゃないか」

名「七瀬……さん……」



その声の主は、ここにいるはずのない、七瀬さんだった_








Aside

途中まで名取さんと一緒にいたはずなのに、色んなひとに押されて、流されて、いつのまにか、はぐれてしまっていた

廻りは私よりも全然背が高く、閉ざされていて、探そうにも探せず、天井しか見えない。

(そこそこ背は高い方だと思ってたのに……)

天井しか見えない上、初めて来た場所だから入り口の方向も分からない。

そのままながされていると、不意に、誰かに手を捕まれた

「?!(名取さん……?)」

人混みの中から延びている手は、私の知っているものではなく、年よりのように、皮だけが張ってあるような、骨張った手。

(まさか妖__?!)


??「やっと見つけたぞ……」

人混みの中から姿を表したのは、着物姿の、厳しい顔をしたお爺さんで……

「な、何ですかっ?!」

私の言葉が終わる前に、そのお爺さんがものすごい形相で私の両肩をがっしりと掴んできた?!

??「君だ……!!君だ!!やっと見つけたぞ!!」

そのまま骨がミシミシと鳴りそうな程力を込められ、痛みに顔を歪める。
混乱と、恐怖だけが私を襲う



※??はオリキャラです!

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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