第六十六話 ページ16
的場side
七「やめておくれ。ゾッとしてしまうじゃないか」
的「流石にそれはありませんか」
第一彼女はまだ高校生だ。犯罪者だなんてあるわけがないか。
(いや、そもそも年齢すらも…)
疑えば疑うほど全てが怪しく思えてくる。
的「まぁ、良い材料になりますねぇ」
どれもこれも偽っているとなれば、弱みになる。
傍らに、丁寧に畳んでおいた羽織と、欠けてしまった面を見る。弱みを握れたなら後はこれをダシに誘い出せば良い。
七「ですが住所が分からなければ_」
的「やり方はいくらでもある」
そう、いくらでも。
一門にひきいれ、その後真実を解き明かせば良い。今は真実などどうでも良い。
的「彼女、祓いやではないんですよね?」
七「えぇ、出入りしていないようですよ。しかもこれから夏休みだとか」
的「では夏休み明けにしますかね。それまでに居場所を突き止めておきなさい。」
七「了解」
的「分かり次第、報告しなさい」
静かにうなずくと七瀬は下がった。
早ければ早い方がいい。他に目をつけられる前に。名取は彼女と知り合いのようだし、急がなければ。
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それから少しして、彼女の居場所が特定できたという報せを受けた。
どうやら名取のマンションにいるようで。
七「少々手遅れでしたかね」
的「いや、そんなことはない。名取とあの女の関係はよく分からないが、脅せばいいだけの話だ」
七「行動、見張っときますか?」
的「えぇ、頼みます」
七「力ずくは駄目ですよ。一門に入らなかったら、彼女は✕✕にするんでしょう?」
そう、どのみち彼女は___
的「分かってる」
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作者名:穴 | 作成日時:2020年8月25日 19時