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第六十五話 ページ15

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数日前


的場side

七「近々、会合を開いてはいかがですか?」

的「えぇ。」

書物に目を通しているため、短く返事をする。自分のペースを乱されたくはないのでね。

七「いつになさいますか?」
的「来週の日曜」
七「分かった。伝えておきます」

ふと思いだし、手を止める

的「そういえば、彼女はまだですかね」

七「あぁ、あの嬢ちゃんのことかい?」

的「えぇ、調べあげておいてくださいと頼みました」

七瀬をみると、困ったように腕を組んでいる。何か大きな問題でもあったのか。

七「それが、彼女、かなりの強者ですよ」

七瀬を唸らせるとは、やはり只者ではない。自身も興味が湧いてくる

的「ほぅ、それはどういう意味で?」

七「情報を集めてはみたんですが、どれも出鱈目ばかりですよ。学校に登録されてた個人情報を盗んでみましたが、以前住んでいた住所、学校。何から何まで」

出鱈目……
もしや本当に彼女は妖なのでは?だが何故出鱈目だと言い切れるのか。

的「何故出鱈目だと?その地に足を運んだとか」

七「えぇもちろん。私が以前の住所までわざわざ足を運んでみましたが、その周辺で東明という名字を知っている人間はいませんでしたね

その上、学校にもそんな人間はいなかった。分からないことが多くてね」

的「血の繋がっているものは?」

七「さぁねぇ。居るんだろうけどそもそもあの町に東明なんて名前の人間は居ないからね」

確かに。情報が足りない。
別に捕まえたりしようってことではないが、一門にあの女を入れたい。それだけだ。

そのための何か弱みでもあればと思ったが……少ないんじゃなんともならない。だがそれを逆手に取ってしまっても良いかもしれない

的「今の住所は」

七「下っ端に追わせているけど、なかなかだね。途中で巻かれてしまうそうだ。最近なんて式も使い始めたそうだよ」

途中で巻かれる。
ということは今の住所を特定されたくないのか。それとも単にストーカーか何かだと思っているのか。

的「以前まで夏目貴志の親戚の藤原家に住んでいたんですよね?」

七「えぇ、でも東明は藤原や夏目と親戚でもなんでもありません」

的「……ならこうは言えませんかね。東明Aという人物はそもそも存在していない」

七「!!まさか。そんなことあるわけないですよ」

的「ほら、よくあるでしょう?犯罪者が名前を変えて生活しているなんてことが。それなら東明Aが偽っている理由を説明できますが」

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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