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第六十二話 ページ12

Aside

「でも今日はその、教えてくれて有り難う」

何で夏目と私が付き合ってるって勘違いしたのかは良くわからないけど。
だって、キスもしたことないし、抱き締めてもらったことはあるけど、ドキドキじゃなくて…あれは……安心…だった。
手を繋ぐ…っていうよりは引っ張られる感じだったし。

私が夏目にドキドキしたことは、ほとんどない

多「いえいえ!こんなの大したことじゃないよ(笑)」

多軌に教えてもらったことから考えると……私が、今好きな人は、いない。って言うことになる。


田「お邪魔しました」
「おジャマしました」

大分空が暗くなり、日が沈んできたので、帰ることになった。多軌に言われて、何冊か漫画を持ち帰ることに。
何だかんだで多分1,2時間はいた気がする

「じゃあね、田沼」

田沼の家には行ったことがないから分かんないけど、多分道は反対方向だ。なのに

田「暗いから送るよ」

「有り難う」

田沼は優しい。
私が笑うと、田沼も笑ってくれる。何だか、夏目と同じ感じだ。でも、田沼はちょっと優しさが強いって言うか、夏目よりもとにかく優しい

田「それにしても、結構面白かったな」
「そうだね、初めて読んだけど…」
田「小説も良いけど、漫画もたまには良いかもな」
「小説はどんなジャンル?」
田「そうだな…おれは、ミステリーとか、謎解きが好きだな」
「へぇ…」
田「東明は?_」

ガサッ
「?!」

田「どうした?」
さっき、後ろでなにか動く音がしたような……だが振り返ってみても何もいない。

「いや、何でもない」

今度は後ろに意識を向けて、耳を澄ましながら歩く。


私と田沼の後ろに、“何か”が確実についてきている。


一定の距離を保ってついてくる足音がひとつ。他の人は私達を通りすぎていくのにたいして。不自然だ。


「田沼、ちょっと寄り道良い?」
田「あぁ、どこによる?」

田沼が頷いたのを良いことに、手を引き、思いっきりは知り、側の角を曲がり、曲がった先の通りにあった店に飛び込む

田「え?東明?!」

後ろの足音は店内の音で着いてきているかどうかは分からないが、多分、見失ってくれたと思う。

田沼は何が何やら分からない様子で、少し起こっている

田「東明、何があったんだ?何で走ったんだ?」
「ごめん」
田「ごめんじゃないだろ、何かいたのか?話してくれ」

(これは……話しても、良いことなのかな…)

この話をして、怖がらせてしまうかもしれないし、無駄に心配させてしまうかもしれない。

(私がつけられていた?…それとも田沼?)

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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