第三十七話 ページ6
Aside
暫く歩くと、外に出るのか靴を履かされた。何だか小さい頃に戻ったみたいで変な気分だった
的「さぁ帰りなさい」
そう言いまだ目が見えないまま、少し歩かされ、ﾄﾝと背中を押される
(いや、目が見えてませんけど…!!)
そこで思い出した。危ない。忘れてしまうところだった。大事なものを
「あの、誤解が解けて放してくれるのは有り難いんですけど、私が着てた羽織と面は＿＿」
的「＿あぁ、そうですね。…それはまた次回と言うことで」
「へっ？」
目が見えないからあくまで想像だけど、何だかニコニコしてそうだ
的「それに、まだ誤解は解けていませんし、仮釈放。といったところです。」
「えぇ？！何故？！」
面と羽織が帰ってこないのも驚きだけど、まだ誤解が解けていなかったということの方が驚きだ
??「的場、“時間”だよ」
的「あぁ。……ではまた。＿＿＿ちょうど良い、七瀬。この方の術を解いてやってください」
そう言うと、ｺﾂｺﾂとまた靴の音がして、的場さんが遠ざかっていったのを感じる
七瀬「分かりました。いそいでくださいよ」
的「えぇ分かってますよ。ちなみにその方は目に術をかけてますので」
遠くから的場さんの声がして、入れ替わるように違う足音が近づいてくる。
多分さっき“七瀬”と呼ばれていた人だ。声の感じからして、少し掠れてはいるけど、女の人のように思えた
そして、目の前まで来ると足音がやむ
七「全く。手間がかかるねぇ」
七瀬はため息と一緒にﾎﾞｿｯと呟くと、何やらブツブツと喋り始めた。とても小さな声で聞き取りずらい。
「あ、あの？」
不安になって声をかけてみるが、反応がない。
(もしかして、解くための呪文か何か？)
予想は当たっていて、その呪文に比例するように、ｼﾞﾜｼﾞﾜとだぎ、目が熱くなっていく。そして、その熱さがだんだんと痛みへと変わり始めた時＿＿
七「終わったよ。三回瞬きしてみな」
言われた通り、三回瞬きしてみると、元の視覚が戻っていた。
いつのまにやら痛みも熱も引いていて、これまで通りになった
目の前にたっている人が…七瀬さんだろうか
七「あのねぇ、今回はこちらになんの危害もなかったから見逃してやれるけど。次は嬢ちゃん。痛い目みるよ」
「は、はぁ…」
私、何か悪いことをしたことになっているらしい
七「さっ。とっとと帰りな。もう２度とするんじゃないよ」
女の人は年はオバアサンなんだろうけど、何だか、綺麗な感じだった。
辺りを見回すと、日が沈み始めていて、空は夕焼け色に染まっていた
帰りなって言われたけど……
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穴(プロフ) - ゆきさん» 初めまして！コメント、ありがとーございますっ。面白いっていっていただけて嬉しいです。更新がんばります！ (2020年8月17日 20時) (
レス) id: 53fc0a995b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はじめまして！最近読み始めたんですけど、とてもおもしろくて一気に読んでしまいました！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年8月17日 18時) (レス) id: 479321255e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：穴 | 作成日時：2020年8月16日 13時
