【REBORN!】振り返ったら (ページ13)

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十話ページ13

『今までの説明で何か分からないことがありますか？』

一通り説明し終わった所でAが皆に聞く。
その中で誰かがポツリと声を漏らす。

「そんな便利な能力、羨ましいなぁ」

『…確かに使いこなせれば便利でしょう。
　自分が異能力者であると知らないまま生活している者も少なからず存在します。
　ですが、異能力者の中には、自らの異能をコントロールできずに自滅したり、

　……肉親から捨てられる人もいます。
　それを聞いてもまだ、羨ましいと思いますか？』

その言葉に数名が息を呑んだ。
便利な能力程、身を滅ぼすのが早い。
その言葉を体現したようなものなのだ、と説明するAの表情は
暗く、その話が事実だということ感じさせる。

『後、詳細は不明ですが、血の繋がっている者に異能を譲渡する方法がありますね。
　さて、今までの説明を踏まえて、エリスをご紹介しますね。
　
　まぁ、大体の方はもう分かっているでしょうが、この子は異能生命体のエリスです。
　不思議なのが、エリスは私の異能ではないんですよ。
　私の異能は"高瀬舟"といって忌み嫌われる精神操作系の異能です。』

「リンタローが特務課に頼んで、名前をカタカナでに譲渡したの！自分が死んだときの為に」

自分の異能ではないエリスが何故出てこれたのか、エリスはざっくりと説明した。
確かに、探偵社の泉鏡花の異能が母親からの譲渡ということは聞いていた。
そして譲渡の方法を知るのが特務課の人間だとも。

そんなAの思考を読んだのか、エリスは「あってるよ」と声を掛けた。

ボンゴレ側は理解が追い付いていないらしい。
逆にヴァリアーの方はとっくに理解したとでもいうように

「では、何故他に異能力者がおらぬのだ！！！！」
レヴィ・ア・タンの大きい声が続きの催促をする。
余りの煩さに顔を顰めるAに気付き、マーモンが注意する。

「煩いよレヴィ。Aの鼓膜が破れたらどうしてくれるんだい？」

「なぬっ！？」

マーモンの殺気の籠った声に思わずレヴィが声を無くす。
そんな彼らをエリスがニコニコと面白そうに見ている。

そんな中でも、続きを話そうとAはコホンと咳を出す。
Aは語った。
一から全部だと長すぎる為、最後の闘いを。
そしてその後、どうやって異能力者が生まれないようにしたのかを。

なるべく簡潔に、且つ分かりやすいように。

『後は、異能力がいない理由ですね。それは、

　＿＿＿＿異能力者狩りが起こったからです』