I have always liked you2〜Ren〜

96〜紫耀side〜 ページ46

俺には２つ個上の兄がいた。


頭もよくて、スポーツ万能で人当たりもよく、俺から見てもカッコよくて、優しい兄。


勉強が苦手で人付き合いが悪く、唯一の取り柄は運動くらいしかない俺とでは、


両親は比べるまでもなく、兄を可愛がった。


誰もが家業は兄が継ぐものだと思っていたため、次男の俺はある程度自由にさせてもらっていた。


そんなある日だった。


兄が死んだと知らせを受けたのは。


歩いていた高校生2人に車が突っ込んでいたところを、兄が庇ったと聞いた。


「それって…、前に私と廉を助けてくれた人？」


驚いた顔をするAちゃん。


それもそうだろう。


兄が助けたAちゃんは、目の前で兄が引かれるのを目撃したショックで事故のことを覚えていないと聞いていた。


この様子からして、本当に記憶がないのだろう。


「そう。そして、兄には許嫁がいた。それが柊木 有紗…」


「有紗…ちゃん…」


「あいつは、許嫁だったけど本当に俺の兄が大好きだった…。でも、その事故のせいでみんな変わってしまったんだ」

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