I have always liked you〜Ren〜

33〜過去〜 ページ33

「廉くん！有紗ね、廉くんと花火大会行こうと思って浴衣着てきたの！どう？似合う？」


A以外の浴衣になんか全く興味ないわ。


ちゅーか、俺の都合はいつも無視やし。


いつもベタベタベタベタウザいねん！


自己中なお嬢様なんかにいつもいつも付き合っとれんわ。


「悪いけど俺急いでるから」


そう言って目の前に立つ有紗を無視して立ち去ろうとしたら、


「Aちゃんと一緒に花火大会に行くから？」


「なんで知って…」


「だって廉くんわかりやすいもん！Aちゃんのこと好きなのもバレバレだし、今日だっていつもよりご機嫌だったし。有紗よく見てるでしょ？」


そう言って笑う彼女に鳥肌がたった。


「なら早よどいてや。急がんとA待っとんねん」


有紗を無視して、歩き出す俺。


数十メートル歩いただろうか。


突然、


「廉くん！危ない！」


有紗の声で振り向くと、こちらへ突っ込んでくるトラックが見えた。


そこからはまるでスローモーションのようで。


迫ってくるトラックに動けない俺と、俺を庇うかのように有紗が飛び込んできたのは覚えている。

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